トリエステ分かち合いアッセンブレア

日時: 2018年5月20日(日)10時~15時
場所: 藤沢公民館2階第2談話室(藤沢本町駅徒歩15分ほど)
(藤沢市藤沢1丁目9−17 駐車場なし)
会費 : 1,000円(ゲスト交通費他・実費分担)
ゲストスピーカー :松嶋健(広島大学准教授・文化人類学)

イタリア北部にあるトリエステでは単科精神病院が廃絶され、その跡地に精神保健センターができました。それまで精神障害者というレッテルを貼られ、入院・収容生活を強いられてきた人々は、単科精神病院の全廃により、地域移行が進み、今では精神保健センターを中心とした地域で、さまざまな取り組み、関わりの中で暮らしています。その精神科病院廃絶運動を主導したのが精神科医フランコ・バザーリア氏です。WHO(世界保健機関)が1973年にトリエステを「脱施設化と地域精神保健ケアのパイロット地区」のモデル地区と指定、1987年に公式にコラボレーション宣言をしてから、世界中からの見学訪問者が絶えません。今回は、2018年1月にトリエステ精神保健センターを訪問した県央福祉会トリエステ研修実行チームメンバーの有志が、トリエステを始めとするイタリアでの精神保健改革に詳しい文化人類学者の松嶋健さんと、トリエステで見たこと感じたこと、疑問などの分かち合いをします。午後はさまざまな立場から一堂に会した参加者と、トリエステや日本の精神保健を中心に自由討論(アッセンブレア)をします。アッセンブレアは予め目標を設定することはありませんが、討論の中から形づくられるものがあればそれを大切にしていきます。

〈プログラム〉
10:00~11:00 トリエステ研修チームによる発表、報告
 11:00~12:00 松嶋さんと分かち合い・掘り下げの時間
 (12:00~13:00休憩 食事は会場外でお願いします。)
 13:00~15:00 アッセンブレア(自由討論)

問合せ・予約:三吉クリニック相談室・広瀬。℡090-4836-6219
共催:三吉クリニック家族会・お互いさん会・日本社会臨床学会6/10遊行寺シンポチーム有志・
県央福祉会 トリエステ研修実行チーム有志

精神医学的処方を中断することの社会学

日時 2018年4月14日 (土) 15:00-18:00
場所 立命館大学・朱雀キャンパス・1F多目的室
http://www.ritsumei.ac.jp/ accessmap/suzaku/
主催 医療社会学研究会、立命館大学・生存学研究センター

デヴィッド・コーエン教授(UCLA, Luskin, USA)
ディスカッサント タジャン・ニコラ(立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員)

コーエン先生講演には通訳ありです。研究会にはどなたでもご参加いただけます。
参加に際して参加費・事前連絡は不要です。

毎日、 人々は処方された精神医学的薬物療法をやめることを選択し、 医師および臨床研究者は患者または研究対象者が処方薬の服用をや めることを決定し、時には中止または撤退のプロセスを見過ごす。 この発表では、 精神医学的投薬を中止または減量する医学文献の体系的なレビュー (2000〜2017)からの発見を提示し、社会構築、言語、 コンフリクト、権力、能力、資源、 諸アクターなどの概念を使って、 精神医学的知識のこの領域を特徴づけ、 社会科学者のための潜在的な研究の方向性を議論する。

The Sociology of Psychiatric Drug Discontinuation
Professor David COHEN
UCLA Luskin, USA.
http://luskin.ucla.edu/person/ david-cohen/

Everyday, people choose to stop taking their prescribed psychiatric medications and physicians and clinical investigators decide if their patients or research subjects will stop taking their prescribed medications and sometimes oversee the process of discontinuation or withdrawal itself. Reviewing and characterizing the literature on this common phenomenon has never been attempted. In this presentation, I will present some initial findings from a systematic review (2000-2017) of the medical literature on ceasing or reducing psychiatric medications. I will also use concepts such as social construction, language, conflict, power, expertise, resources, actors and systems to characterize this area of psychiatric knowledge and discuss potential research directions for social scientists.

精神保健福祉法改正法案討論会 措置入院の運用と退院後支援――今後の運動の展開について

日 時 : 2018年4月13日(金) 18時00分~20時30分
場 所 : スマイル中野5階 和室 (〒164-0001 中野区中野5-68-7)
資料代 : 1000円
主 催 : 全国「精神病」者集団

講 師  桐原尚之 全国「精神病」者集団

 第193回通常国会の審議過程では、精神保健福祉法改正法案には看過できない重大な問題があることが明らかになりました。参議院先議でありながら約1か月半の長時間審議となり、これだけの審議時間を得たのにもかかわらず厚生労働省は、毎回の審議で答弁できない質問に直面し、与野党の委員ともに首をかしげるような曖昧な答弁を繰り返しました。その後、精神保健福祉法改正法案は第194回臨時国会で衆議院の解散に伴い廃案となりました。さらに上程が予定されていた第196回通常国会では、非予算関連法案の実質的な締切日である3月13日までに閣議決定がなされず、国会上程は事実上見送りとなりました。
 厚生労働省は、法改正の遅延に伴い、法改正に先立った運用の整備を急ぐことにし、3月27日付で「措置入院の運用に関するガイドライン(平成30年3月27日・障発0327第15号)」と「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン(平成30年3月27日・障発0327第16号)」を出して各都道府県を通じて取り組みを進めていくことにしました。現場は、混乱気味であり、今後、私たちはどのようにして取り組んでいけばよいのか、討論会を持ちたいと思います。

2018年「障害のある青年のためのグローバルチャレンジ」参加者募集

2018年「障害のある青年のためのグローバルチャレンジ」参加者募集
実施期間:2018年7月8日~21日(13泊14日)
テーマ:世界を共につくろう
主催:韓国RI、新韓金融グループ他  後援:韓国保健福祉省

<主なプログラム>
・オリエンテーション
・関係団体・機関訪問
・障害と国際開発に関するセミナー ほか

<応募要件>
・アジア太平洋地域の障害のある青年(18歳~34歳)
・障害分野の活動経験のある方
・国際開発の活動経験のある方
・2週間のプログラムに参加できる方
・英語でプレゼンテーションのできる方

*旅費支援あり
<募集期間>
3月8日~4月15日
応募方法等、詳細はこちら

応募方法:https://goo.gl/DQdcfb

We are glad to invite you people from your mother country to the ‘2018 Global Challenge of Youth with Disabilities’ which began with an aim of enabling young professionals with disabilities to build their capacity to become international leaders.
*Brief information is as below.

A. Outline of Korea Team
• Period: 13 Days 14 Nights (July 8th ~ 21st, 2018 *Tentative)
• Theme: Leave no one behind!
• Participants:
– 10 young professionals with disabilities in each country from Asia-Pacific Area
– 7 Korean youths with disabilities or without disabilities, 2 coordinators
• Program includes
– Orientation
– Visit orgnization/agency related to Disability (*Will be decided later refering participants’ opinions)
– Official Seminar on Disability and International Development – Cultural Exchange
– 3 days Dreamteam camp with 53 other members
including Conference of Youth with Disabilities on Life with a disability and vision

B. Information for the applicants
• Requirements:
– Youths with disabilities in Asia-Pacific (Age: 18~34)
– Disability-related field work experience
– International Development-related work experience
– To be able to commit oneself to a full-time program 2 weeks away from home
– Competent in English (To be able to make a presentation in English)
• Support:
All expenses associated with the participation in the program, including round-trip air ticket, hotel accommodation, meals and local transportation services
• Required Document for Submission
– Application Form (Fill out)
– Two Manuscripts written according to the theme 1, 2
*Please refer to the page #6~7 “Instructions for the applicants’ works”
– Certificates (Employment, Students status): Reference can also be submitted
– Reference from work or school (University)
– Other Questionnaire (Google Survey) : https://goo.gl/82mHnw *Once you apply, it’s necessary to submit either.
*You could have find all the information, too at the following link which is temporary website for this project
– https://goo.gl/DQdcfb

インクルーシヴ教育と複合差別を学ぶシンポジウムーー一般的意見3号と一般的意見4号の理解を深めパラレルレポートに生かそう

 障害者権利条約の締約国報告に対して、さまざまな障害者団体、人権団体がパラレルレポートを作成しています。しかし、障害者権利条約の中でも、教育(24条)と障害のある女性(6条)については、それぞれ一般的意見が出されて日が浅いこともあり、その内容の理解が十分に深まっているとは言えません。効果的なパラレルレポートを作成し、さらに、日本の状況を大きく変えていくためには、一般的意見に基づく条約の理解がとても重要になります。
 今回、障害学、障害法の研究と実践において先進的な米国シラキューズ大学のアーリーン・カンター教授をお招きして、インクルーシヴ教育と障害のある女性と複合差別をテーマにしたシンポジウムを開催します。
このシンポジウムでは、障害者権利条約の求める水準と米国での研究実践を日本の状況と対比して、パラレルレポートで指摘すべきこと、日本の変わるべき将来像を明らかにしていきたいと思います。

日時  4月22日13時~17時15分
場所  上智大学2号館203号教室
日英通訳あり(日英同時通訳、英日逐次通訳)
手話通訳・文字通訳あり
参加費 2,000円
【申し込み】 ①氏名、➁メールアドレス、③「4月22日シンポ参加」と記載して、メールまたはファックス(fax:03(3816)2063、メール:aoffice@giga.ocn.ne.jp)で申し込んでください。教室の座席の都合上、定員になり次第、締め切らせていただきます。申し込みを受け付けましたら、「受付確認と参加費の振り込みのお願い」のメールを返信しますのでご確認ください。

プログラム
第一部 インクルーシヴ教育
13時~14時  障害者権利条約とインクルーシヴ教育 アーリーン・カンター教授
14時~14時30分  日本の状況とパラレルレポートで訴えるべきこと 大谷恭子弁護士
14時30分~15時  意見交換

第二部  障害のある女性と複合差別
15時15分~16時15分  障害のある女性と複合差別  アーリーン・カンター教授 (逐次通訳)
16時15分~16時45分  日本の状況とパラレルレポートで訴えるべきこと
             臼井久実子さん、米津知子さん (DPI女性障害者ネットワーク)
16時45分~17時15分 意見交換

シンポジストのプロフィール
アーリーン・カンター(Arlene S kanter)
シラキューズ大学法学部教授、同大学人権法政策・障害学センター所長、障害法とインクルーシヴ教育の国際的・国内的領域にわたる研究をしている。主著は「国際法における障害者の権利の発展、慈善から人権へ」(The Development of Disability Rights under International Law: From Charity to Human Rights)、「教育の誤りを正す、法律と教育における障害学」(Righting Educational Wrongs: Disability Studies in Law and Education)、その他、インクルーシヴ教育、比較障害法、精神障害法などに関する著書多数。

大谷恭子
1974年早稲田大学法学部卒業。1978年弁護士登録。元内閣府障害者政策委員会委員。1979年、障害のある子の地域の学校への就学闘争の過程での刑事事件にかかわり、以降、どの子も地域の学校に就学できるよう、行政訴訟・交渉にかかわっている。

臼井久実子
聴覚障害者、自立生活運動に大阪で学生当時から参加。法制度の差別撤廃をめざし「障害者欠格条項をなくす会」設立を呼びかけ1999年から事務局長。「DPI女性障害者ネットワーク」に2007年から参画。編著「Q&A障害者の欠格条項」、寄稿「ジェンダー法研究第3号(特集 複合差別とジェンダー)」など。

米津知子
1948年生れ。ポリオによる歩行障害。70年代ウーマンリブ運動に参加。女性で障害者である立場から、人口政策・優生政策からの解放を考える。2007年から「DPI女性障害者ネットワーク」に参加。「母体保護法とわたしたち」(明石書店)、「ジェンダー法研究第3号(特集 複合差別とジェンダー)」などに寄稿。

障害者権利条約を国内施策に生かすための学習会

■日時:3月29日(木)12:00~16:00
■場所:衆議院第2議員会館 多目的会議室(東京都千代田区永田町2-2-1)
■参加費:無料
■PC文字通訳・手話通訳・点字資料あり(情報保障の申込締切: 3月22日)
■要申込:入館証発行のため、事前のお申込みをお願いします。
■参加申込締切:3月26日(月)

▽お申込みはこちら
https://goo.gl/Ve2ZEy

●プログラム
・12時00分~12時15分 主催者挨拶、来賓挨拶
・12時15分~12時35分 報告「第4次障害者基本計画の説明」
 報告者:寺本 琢哉氏 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付き参事官( 障害施策担当)
・12時35分~13時05分 基調講演1「 障害者権利委員会の動向とNGOレポートに求められるもの」
 報告者:石川 准氏(国連障害者政策委員会委員/内閣府障害者政策委員会委長/ 静岡県立大学教授)
・13時05分~13時35分 基調講演2「総括所見作成と市民社会・障害者組織の役割─ 台湾審査の経験から」
 報告者:長瀬 修氏(立命館大学教授)
・13時50分~14時20分「DPIレコメンデーション( 勧告)について」
 報告者:DPIプロジェクトメンバー
・14時20分~16時00分 シンポジウム「パラレルレポートで目指すもの~ 障害者権利条約の完全実施に向けて~」
 シンポジスト:池原毅和(弁護士)、海老原宏美( CIL東大和理事、DPI日本会議常任委員)、
        尾上浩二(DPI日本会議副議長、 内閣府障害者施策アドバイザー)
コメンテーター:長瀬 修(立命館大学教授)、ファシリテーター:崔 栄繁(DPI日本会議議長補佐)

▽チラシ(PDF)
http://dpi-japan.org/wp- content/uploads/2018/03/ 2a62d8d70b3aa277aebc8276d4a685 2a.pdf
(ワード)
http://dpi-japan.org/wp- content/uploads/2018/03/ 2a62d8d70b3aa277aebc8276d4a685 2a-1.docx

◇主催、お問合わせ:認定NPO法人DPI日本会議
担当:崔 栄繁(さい たかのり)
電話 03‐5282-3730、ファックス 03-5282-0017、メールsai@dpi-japan. org
(〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-11-8 武蔵野ビル5階)

◇助成:(公財)キリン福祉財団

東京都議会迷惑防止条例改悪案(都議会前 街路で情宣)

■3月22日(木)12時~13時 東京都庁第1庁舎・都議会前 街路で情宣 (都庁前駅下車1分)
破防法・組対法に反対する共同行動

いま警視庁は、東京都議会に迷惑防止条例改悪案と提出し、3月22日の警察・消防委員会で拙速採決しようとしています。
都迷惑防止条例は、“悪意の感情“という曖昧な目的があれば通常は処罰されない行為を処罰するなど、私たちが暴騒音条例や生活安全条例と共に反対してきたいわくつきの条例です。
今回の改悪は、現行の規制に加えて、以下を新たな規制の対象とし罰則を重くしています。
・みだりにうろつくこと ・メールを送信すること ・監視していると告げること ・名誉を害する事項を告げること
・性的羞恥心を害する事項を告げること
“何が正当かは警察が判断”しますから、労働運動・市民運動・表現者などの要請行動・宣伝行動・ネットでの政府批判などを警察が恣意的に規制するおそれが十二分にありえます。
緊急ですが、共に反対の声をあげられるよう訴えます。

障害福祉計画に重度かつ慢性は必要ありません――私たちは京都市第五期計画を称賛します

 厚生労働省は、精神科病院に一年以上入院している長期在院者のうち認知症を除く約7割が「重度かつ慢性」であり、長期入院の需要があるとして基準病床値を算出する国の基本指針を示しました。
障害者基本法における障害は、機能障害を有する者とこれらの者に対する態度及び環境による障壁との間の相互作用と認められるようになりました。しかし、「重度かつ慢性」の基準は、精神科病院に長期在院している人の置かれている不条理を当該精神障害者の機能障害に原因を帰責しようとするものであり、ひいては長期在院者を作り出してしまった国策の誤りを容認することにもつながります。しかも、これら1年以上長期在院者は、クロザピンと修正型電気ショックを計画的に普及させることで少しずつ解消されてゆくものとされています。クロザピンや修正型電気ショックは、侵襲性が高く多くの精神障害者にとっては恐怖でしかありません。そのため、私たちは「重度かつ慢性」を前提としたあらゆる政策を認めるわけにはいきません。
そうしたなかにあって京都市は、第五期障害福祉計画において「重度かつ慢性」を見事に除外して地域移行目標値を定めるという、まさに画期的な取り組みをしました。私たちは、京都市の取り組みを全面的に支持し称賛するとともに、他の地方公共団体においても同様の取り組みがなされることを強く望みます。

医療法及び医師法改正案の閣議決定・国会上程に関する緊急声明

 本日3月13日、医療法及び医師法改正案が国会に上程されました。医療法及び医師法改正案自体は、医師の偏在を解消するための計画の策定を趣旨としたものです。これだけだと医師の少ない過疎地の医療などの解消に向かっているように聞こえますが、実際には、必ずしもそれだけではありません。
 法案概要資料によると医師偏在指標は、医療計画の基準病床値に基づき設定することとなっており、この医療計画の基準病床値(精神病床)の算出根拠にこそ看過できない重大な問題があります。第7期医療計画の基準病床値(精神病床)は、1年以上の長期入院者(認知症を除く)の約7割が「重度かつ慢性」であるため退院できないとする係数aを採用します。また、それらの者は係数bといって修正型電気ショックとクロザピンの計画的普及によって解消されることとされています。修正型電気ショックとクロザピンは侵襲性が高いため、私たち精神障害者の多くが怖れているものです。
 このことから医療法及び医師法改正案に基づく医師確保計画は、日本の多すぎる精神病床を減らさずにして、1年以上長期在院者の約7割を入院させ続ける前提で病棟の人員として“足りない”医師を増やすための計画ということになります。あるいは、修正型電気ショックをするための麻酔科医が田舎にはいないから医師確保計画で麻酔科医を増やすだとか、クロザピンをするための血液内科医が田舎にはいないから医師確保計画で血液内科医を増やすだとかが現実の話しとして浮上してきます。
 こうした算定式による医療計画を前提とした全ての政策は、他の関連法案によって追認されるべきではありません。障害者基本法における障害は、機能障害を有する者とこれらの者に対する態度及び環境による障壁との間の相互作用と認められるようになりました。しかし、「重度かつ慢性」の基準は、精神科病院に長期在院している人の置かれている不条理を当該精神障害者の機能障害に原因を帰責しようとするものであり、ひいては精神科医療従事者が研鑽して実践の水準をあげる機運を下げ、多くの人が指摘する国策の誤りについて容認することにもつながります。そして、「重度かつ慢性」とされた長期在院患者は、今後も精神科病院において長期在院を余儀なくされることになりかねません。たとえ実際に精神障害者が重度で慢性症状を呈しているとしても地域で暮らす権利があることを確認し、こうした係数の採用を前提としたあらゆる施策が見直されるべきであることを強く主張します。
  2018年3月13日

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第19条の8の規定に基づき厚生労働大臣の定める指定病院の基準の一部を改正する件(案)に関するパブリックコメント

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第19条の8の規定に基づき厚生労働大臣の定める指定病院の基準の一部を改正する件(案)に関するパブリックコメント

 本改正は、医師配置基準の「外来患者2.5を除した数」を「外来患者5を除した数」に変更しようとするものです。

1 基準改正の趣旨と実際
本基準改正の趣旨は、退院が進むことによって将来的に外来患者が増えるという「想定」だけであり、実際に指定病院の外来患者数が急増しているなどのデータが存在するわけではありません。そのため、具体的な問題に対応するための方策とはいえず、基準改正の必要がない可能性がある状態で変えられようとしている点で問題があるように思います。

2 指定病院の医師が不足することで生じる問題への懸念
単純計算すると指定病院の医師は、外来患者に二倍の診療時間を割くかたちになり、その分だけ通院者や入院者に手が回らず人員体制が手薄になることが考えられます。
精神科病院における処遇上の課題の多くは、人手不足に由来するものだとの指摘がされていますが、私たちは本基準の改正が処遇上の課題の解決を困難せしめるのではないかと危惧します。

3 指定病院の増加に伴う措置入院増加への不安
本基準の改正によって現時点では、指定病院でない病院も指定病院の要件を満たすことになり得ます。すると措置入院の指定病院数が増加する可能性があると思います。入退院者数・入院形態は、政策の影響を受けることが2013年の医療保護入院改正によって明らかになっています。そうなると措置入院先の増加に伴い措置入院者数も自ずと増えていくのではないかと深刻に憂慮します。このことは原則任意入院としてきた法の趣旨とも逆行するように感じます。

全国「精神病」者集団
2018年2月28日