京都における障害者の嘱託殺人事件の報道について

報道各位

わたしたち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成された精神障害者個人及び団体の全国組織です。
2020年7月23日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した京都市の女性から頼まれ薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人の疑いで医師2名が逮捕されました。この事件で、まず報道すべきことは、容疑者の人物評価・差別意識であるはずです。しかし、中には被害者が同意していた事実にフォーカスを当てて安楽死・尊厳死法制化の議論を扇動するよものが散見されます。本事件は、あくまで嘱託殺人であって安楽死ではありません。非難されるべき行為を法律をつくって追認させようとする論調は間違っています。
障害を理由とした安楽死・尊厳死は、津久井やまゆり園事件の犯人の優生思想に通じるものです。わたしたち障害者団体は、尊厳のある死ではなく、誰もが尊厳をもって生きられる社会を求めます。本事件をめぐる報道では、短絡的に安楽死・尊厳死に結びつけるのではなく、わたしたち障害者に配慮したものにしてください。

緊急声明―京都における障害者の嘱託殺人事件について―

2020年7月23日、京都府警察は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した京都市の女性から頼まれ薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人の疑いで呼吸器内科医の大久保愉一容疑者(42)と、医師の山本直樹容疑者(43)を逮捕しました。

このうち1人の医師は、驚くほどの優生思想の持ち主で、津久井やまゆり園事件の犯人とは比較にならないほどの持論・実践を展開してきた人物です。嘱託殺人で医師が逮捕されたのは、射水市民病院事件以来12年ぶりのこととなります。

この事件を機に、この医師への人物評価がなされないまま、医師が医師を庇い、結果として安楽死・尊厳死法制化の議論に傾いていくのではないかと深刻に憂慮します。
私たちは、障害者団体として尊厳のある死ではなく、誰もが尊厳をもって生きられる社会を求めます。

全国「精神病」者集団
2020年7月23日

「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」(仮題)の基本的な考え方について」に関するパブリックコメント

意思決定支援ワーキング・グループ御中

 日ごろより、ご尽力くださり心より敬意を表しております。
 私たち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 さて、わが国の成年後見制度は、精神上の障害により事理を弁識する能力になんらかの問題がある者に対して行為能力を制限するための審判を規定したものです。民法明文上にも「精神上の障害」とあるように成年被後見人等の大部分が精神障害者ということになります。そのため、成年後見制度は、精神障害者の生活にかかわる制度です。
 これら精神障害者の生活に係る法制度が障害者の権利に関する条約(以下、障害者権利条約)の趣旨を鑑みたものとなるように、次のとおりパブリックコメントを提出します。

1 障害者の権利に関する条約に基づく検討
「後見人等による意思決定支援の在り方関すガイドラン」においては、障害者の権利に関する条約の解釈をめぐる諸問題について国連障害者の権利に関する委員会の解釈を明記し、位置付けていく必要がある。
日本政府は、同条約第12条第2項の法的能力を民法においては権利能力のことであり行為能力は含まないものと解釈している。また、同条約第12条第3項の「法的能力の行使」とは行為能力のことであり、成年後見制度が法的能力の行使に当たって必要な支援の一環であると解釈している。
その一方で国連障害者の権利に関する委員会の解釈は、一般的意見第1号パラグラフ12で、法的能力は法的地位に関する能力と行使に関する能力の両方が含まれるものとされており、日本の民法でいうところの権利能力と行為能力の双方が含まれるものとされている。障害者の権利に関する委員会の解釈に従うと日本の成年後見制度は、精神上の障害と事理弁識能力を欠く常況を要件に行為能力を制限するため同条約の趣旨に違反することになる。「後見人等による意思決定支援の在り方関すガイドラン」の中では、政府解釈だけではなく、国連の解釈も示し両論併記とするべきである。

2 「後見人等による意思決定支援の在り方に関すガイドラン」の位置づけ
「後見人等による意思決定支援の在り方関すガイドラン」においては、国際的な連帯の下にある障害者運動と国連障害者の権利に関する委員会の解釈に従ったかたちで構築される必要がある。
条約法に関するウィーン条約によると政府には誠実な解釈が求められており(第31条第1項)、交渉過程や一般的意見を参考にしながら解釈される必要がある。しかし、意思決定支援ワーキンググループは、交渉過程や一般的意見を参考にしているのかが必ずしも明らかではない。「後見人等による意思決定支援の在り方関すガイドラン」の作成にあたっては、交渉過程や一般的意見を参考にしながら組み立てられたのかどうかを明らかにすべきである。

3 最善の利益の否定を明記すること
一般的意見第1号パラグラフ21では、意思及び選好の尊重に基づく支援が必要であり、最善の利益に基づく判断は否定されなければならないものとされている。最善の利益を否定し、意思及び選好の尊重に基づく支援へと改めるべきである。

4 当事者の意見が反映されなかったこと
このたびの「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」(仮題)の基本的な考え方について」には、ヒアリングに対して真摯に実行しようとする意思が見られません。少なくとも、障害者の権利に関する条約第三十九条による障害者の権利に関する委員会からの提案及び一般的な性格を有する勧告が行われたときには、障害者を代表する団体の参画の下で、当該提案及び勧告に基づく現状の問題点の把握を行い、必要な措置を講ずることなどを明記しなければならない。また、本パブリックコメントについても、よせられた意見を公開するべきである。

以上

◆意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」(仮題)の基本的な考え方について
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/R020529kihontekinakangaekata.pdf

2020年東京都知事選挙マニフェストの修正に関する要望書

宇都宮けんじ 様

 初夏の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 さて、2020年東京都知事選挙マニフェストの重要政策01「だれもが働きやすく、くらしやすい希望のまち東京をつくります」には、「財産管理等支援のために市民成年後見人制度の普及を加速化するために、「東京都成年後見人促進条例」をめざします」「都独自の成年後見人養成(年1000人目標3ヶ年)等の目標をもち、都としての養成講座を行います」などの内容が盛り込まれています。他方で成年後見制度は、障害者の権利に関する委員会一般的意見第1号及び初回の日本政府報告に関する質問事問において障害者権利条約違反が指摘されています。
 つきましては、下記の通り、東京都知事選挙マニフェストを修正してくださいますよう、ご要望を申し上げます。

老い仕度やターミナルケアへの関心が高くなっています。財産管理等支援のために成年 後見人制度が多用されていますが、これは国連障害者権利条約違反の代理決定の仕組みであり、早急に改める必要があります。その改定を国に呼び掛けます。国連障害者の権利に関する委員会から助言及び一般的な勧告が出されたときは、障害者の権利に関する条約の趣旨に従って現行の成年後見制度から独立した意思決定支援の検討と人材養成を都として行います。関連情報を都民に発信します。

以 上 

7・11医療観察法を廃止しよう!全国集会

7・11医療観察法を廃止しよう!全国集会

日 時: 2020年7月11日(土) 14:00~16:00
場 所: 日本キリスト教会館 4階・会議室
(東京都新宿区西早稲田2-3-18)
主 催: 心神喪失者等医療観察法をなくす会 / 国立武蔵病院(精神)強制・隔離入院施設問題を考える会 / 認定NPO大阪精神医療人権センター / 心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク
資料代: 500円
チラシ

コロナ・ショックで私たちの命と生活が大きく脅かされています。会合や集会すらままなりません。しかし、
こうした状況であるからこそ、精神医療を巡る問題を訴え医療観察法廃止の声を上げ続けることが必要だ
と思います。各地でのZOOMによる参加を含め多くの皆さんが本集会に参加されることを訴えます!

◆ZOOM参加あり
ZOOMでの集会参加をご希望の方は、7月9日までにkansatuhou20@gmail.com 宛、下記の事項を記載して申し込んでください。
1.名前(必須)
2.連絡先メールドレス(必須):ZOOM 集会参加に必要な情報をお知らせします。
3.電話番号 ZOOM 関係の調整用電話番号
4.所属(あれば)
★ ZOOM 参加に慣れていない方は、当日、30 分前くらいからアクセスして接続を確認していただけます。

精神科病院における新型コロナウィルス感染予防に関する要望書

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
精神障害保健課長 佐々木 孝治 様

 日ごろより精神障害者の地域生活、施策にご尽力くださり心より敬意を表しております。
 今月、東京都小金井市の武蔵野中央病院において新たに患者と職員合わせて15人の感染が確認されました。「緊急事態宣言」の解除後では、都内で初めて発生したクラスターといわれています。
 清潔不潔の区域の仕分けが不十分な建造物が多く、さらに閉鎖性密室性が高い精神科病院は新型コロナウィルス感染にきわめて脆弱であると言わざるを得ません。地域で暮らしていてよいはずの人が長期入院していることも相まって看過できない問題となっています。他方で2020年4月3日付事務連絡に「精神科を標榜する医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応について」が発されて以来、現場では新型コロナウィルスに感染した精神障害者は原則として精神科病院で療養させるべきとの理解に基づき運用されています。しかし、新型コロナウィルス感染リスクを減らすのならば、精神科病院での療養は望ましくありません。
 つきましては、下記について要望を申し上げます。

1.意にそぐわない精神科病院への入院を回避できるよう病院及び地方公共団体等に相談窓口を設置すること。
2.現に入院している精神障害者が精神科病院から避難できるように病院及び地方公共団体等に相談窓口を設置すること。

以 上 

医療観察制度における入院処遇の実際と課題――対象者の経験から考える

医療観察制度における入院処遇の実際と課題――対象者の経験から考える

日 時: 2020年6月28日(日) 14:00~16:00
場 所: 京都市みぶ身体障害者福祉会館 研修室1
(〒604-8804 京都市中京区壬生坊城町19-4 2F 075-822-0548)
主 催: 立命館大学生存学研究所
後 援: 京都ユーザーネットワーク、京都精神保健福祉推進家族会連合会、京都精神神経科診療所協会、京都精神保健福祉士協会、京都精神保健福祉施設協議会、全国「精神病」者集団、認定NPO法人大阪精神医療人権センター、障害者権利条約の批准と完全実施をめざす京都実行委員会
連絡先: 桐原(080-6004-6848)

チラシ

医療観察法が施行されて15年以上が経過し、着々と各都道府県に入院医療機関・入院処遇用の病床の整備が進められています。入院医療機関・入院処遇用の病床の整備が進める人たちは、「各都道府県に入院処遇用の病床が整備されていないため、対象者が自分の居住地で入院処遇を受けられない」として病床の整備を推し進めようとしています。しかし、この言説は誤った認識に基づくものでしかありません。なぜなら、入院処遇用の病床が整備されたとしても、実際の運用は空いた病床に対象者を入れていくだけで実態がかわらないからです。京都府は、洛南病院建替え工事に伴って医療観察法の入院処遇用の病棟を建設する方向性を決めました。仮に洛南病院に医療観察法病棟が建設されても、他府県からの受け入れが多くなることは自明です。また、病床が空くたびに対象者が作り出されるため、病床を増やすことは、問題を深刻化させることにしかなりません。「医療観察制度運用に関する今後のあり方意見交換会議」は、精神障害当事者を入れずに意見取りまとめをおこなった点でも問題があります。この問題について真剣に考えるためにも医療観察法元対象者の話しをきいて学びたいと思います。

◆医療観察制度運用に関する今後のあり方意見交換会議
https://www.pref.kyoto.jp/iryo/news/iryoukansatsuseido.html

【声明】障害者福祉三法案に賛成し早期成立を求めます

声明
障害者福祉三法案に賛成し早期成立を求めます

私たち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。

2020年5月12日、衆議院本会議において「介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(201国会衆11)」「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案(201国会衆12)」「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部を改正する法律案(201国会衆13)」が審議入りしました。

本改正案は、障害者の日常生活に欠かせない介護保障制度及び就労支援制度等について不十分な点を実体に即して改正しようとするものであり、私たちにとって必要不可欠なものです。よって、障害者福祉三法案に賛成するとともに早期成立を求めます。

2020年5月12日

全国「精神病」者集団
〒164-0011
東京都中野区中央2―39―3
Tel 080-6004-6848(担当:桐原)
E-mail jngmdp1974@gmail.com

 

精神疾患を有する新型コロナウイルス感染症への対応に関する抗議声明

 私たち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 2020年4月3日に「精神科を標榜する医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応について」が出されました。当該事務連絡は、「精神疾患を有する方で新型コロナウイルスに感染していることが判明した方等について、精神科を標榜する医療機関(以下、「精神科医療機関」という。)において対応することが求められる場合が想定される」として留意事項を都道府県・政令市に宛てたものです。
 当該事務連絡は、新型コロナウィルスに感染した精神障害者を専ら精神科病院で対応することを求めた文書ではないのだと思います。しかし、検査が行き届かず、医療現場が混乱している状況下で当該事務連絡のようなものを出されたため、精神障害者は新型コロナウィルスに感染した場合も原則として精神科病院で対応するものという読み方がなされ、逆に一般の病院等での治療を受けられない根拠のようにされてしまっています。
 本来なら精神障害者が感染した場合に精神障害を理由として一般の病院等から受け入れが拒否されることがないように慎重な対応が求められるはずです。当該事務連絡は、こうした慎重さが足りず極めて問題があります。
 また、多くの精神科病院では感染症への対応は困難と思われます。そのため、精神科病院と感染症の病院との間で調整という名の押し付けあいが起きています。当該事務連絡によって現場が混乱を極めており、すでに取り下げざるを得ない状況にあると思います。
そして、なにより精神科病院には明らかに入院不要な患者が長期入院しており、新型コロナウィルス感染に基づく入院を入り口として、再び、長期入院の問題につながっていくことにならないかと深刻に憂慮します。
 当該事務連絡は、精神障害者は原則として精神科病院で対応するものと読めてしまうものであり、上述の問題を帰結せしめたため強く抗議します。

   2020年4月30日

厚生労働省事務連絡「精神科を標榜する医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応について」