滝山病院事件に関する緊急声明

 全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 2023年2月15日、東京都八王子市にある滝山病院において50代の看護師が入院患者の頭を殴ったとして暴行の疑いで警視庁に逮捕されたことが報道されました。
 滝山病院の理事長・朝倉医師は、2001年に発覚した朝倉病院事件の際の病院院長(当時)であり、同病院に入院していた40名以上の患者が不審な死を遂げた事で問題になりました。ほどなくして朝倉病院は廃院になりましたが、滝山病院においても朝倉病院の体制が、そのままに続いてきたことに憤りを禁じ得ません。
 今回の事件は、私たち精神障害者が、たまたま、行き着いた先の病院次第で、幽閉されたまま助けを求めることも叶わず、地域に移行することもないまま虐待を受け続けて生涯を終えるしかない存在であることを突きつけるものでした。滝山病院は、死亡退院が退院全体の約8割を占めており、ウェブ上の口コミからも様々な問題があったことが指摘されています。このことからも警視庁が捜査を決めた事件は、氷山の一角に過ぎず、長年にわたって延々と虐待がおこなわれてきたことが想像にかたくありません。今もなお、滝山病院には虐待を受けていた患者が入院しており、虐待にかかわったか、もしくは、虐待を見て見ぬふりをしてきた職員と同じ空間にいさせられています。
 滝山病院には、まだまだ、知られざる問題が山積しています。虐待を続けてきた滝山病院を糾弾するとともに、一刻も早く、問題の全体像を明らかにし、入院患者の救済に向けた取り組みを訴えます。

2023年2月15日
全国「精神病」者集団