成年後見制度利用促進法案をめぐる議会運営のあり方に抗議し、法務委員会その他での検討を求めます!

成年後見制度利用促進法案をめぐる議会運営のあり方に抗議し、法務委員会その他での検討を求めます!
 成年後見制度利用促進法案は、2016年3月31日の参議院内閣委員会において上程、審議される見込みであると聞いています。成年後見制度利用促進法案は、①障害者権利条約第12条に違反するとされている成年後見制度をせめて最小化するというわけでなく、むしろ利用を促進するという点で国際人権法の潮流に逆行するものであること、②法案成立後に医療同意など後見人の業務拡大を検討することとされており、延命治療を始めとする必要な治療を中断する代諾や認知症高齢者を精神科病院に入院させる代諾による新たな問題が懸念されること、などから慎重な審議が必要であるといわれています。
 にもかかわらず、この時期に早急に国会に上程され、短い質問時間で可決する議会運営をしているのは、政権与党による士業団体の利益となるような便宜を図ることで選挙の票にしようとする意図があると伝えられています。すなわち、サラ金による不当利得返還が士業団体にとっての稼ぎ口ではなくなるので、新たな稼ぎ口として成年後見制度が注目されているということです。これによって障害者は、食い物にされるばかりではなく、成年被後見人の意思を尊重しない成年後見人の決定に対してなんらかの救済機能に開かれていないにもかかわらず、やみくもに利用が促進され、自分の通帳を見ることができない、成年後見人ではない家族は成年後見人の許可がなければ成年被後見人の自宅の敷地内に入ることさえできないなどの実際に起きている被害を拡大していくことになります。
 また、成年後見制度利用促進法案は、改正される法律の範囲も広く、従来の成年後見制度(民法)の手続きの改正にまで及ぶものとなっています。たとえば、成年被後見人宛の郵便物を成年後見人等が直接受け取れるとする改正は、本来、本人以外の者による信書の開封の是非といった刑法にまで及ぶものであり、法務委員会での検討を要するものと考えます。そのため、参考人もよばずに内閣委員会で数十分の質疑で可決されていいような法律ではありません。
 私たちは、成年後見制度や成年後見制度利用促進法案への反対もさることながら、この議会運営のあり方に対して納得していません。まるで票になる士業団体、票にならない障害者、票になる人の利益になるから早々と可決させましょうと差別されているようです。少なくとも内閣委員会での早急な議論は一度中断して、法務委員会での検討、あるいは法務委員会、厚生労働委員会、内閣委員会の合同で参考人を呼んで審議することを求めます。

  2016年3月30日