ひきこもり支援を目的として掲げる民間事業の利用をめぐる消費者トラブルに関する意見書

立憲民主党消費者問題特別部会
部 会 長  宮沢由佳 様
副部会長  柚木道義 様

 日ごろより精神障害者の地域生活、施策にご尽力くださり心より敬意を表しております。
 さて、引きこもり支援を自称する悪質業者の被害が社会問題になっています。全国「精神病」者集団は、2011年から現在まで同業者らによる被害の相談を受け付けてきました(別紙参照)。同業者らは、通常の民事訴訟手続きで救済が困難になるような方法をとって巧みに誘拐、監禁を実行しています。
 実効性のある救済方法が不可欠であり、下記のとおり要望します。

1 同業者に対して消費者庁から指導及び行政処分をするとともに公表してください。
2 被害の挙証方法を同業者側に設定した特別な救済手続きを設けて対応してください。
3 同業者の実態把握をおこなってください。

5/14 公明党障がい者福祉委員会 手帳制度とマイナンバーに連結について

◆5/14 公明党障がい者福祉委員会 手帳制度とマイナンバーに連結について
https://jngmdp.net/wp-content/uploads/2021/05/20210514.pdf

以下、質問を出しました。

デジタル化は、便利である反面、ひとつ間違えば怖い側面があるとも指摘されています。手帳情報とマイナンバー、その他の情報を紐付けていくことで、精神障害者に対する監視を招かないか、情報化社会を前に体調悪化を招く仲間が増えまいかと、深刻に憂慮しています。

一 一般的なことについての質問です。手帳に付随するサービス等を受けるためには、手帳情報とマイナンバーを関連付ける必要性がありますか。マイナンバーを使わずとも、手帳情報のみを電子化してサービスを受けられるようにできるのではないか、ご回答をお願いします。

二 手帳情報の民間利用についてです。行政の管理のはなしではない、という点を強調しておきます。マイナンバーに紐付けされた手帳情報は、マイナポータルを通じて民間利用が可能となっています。アプリの利用時には、利用規約のようなものに同意をすることが一般的です。利用規約の中には、当該利用規約を予告なく、いつでも変更することに同意を求める規定が設けられていることが多いです。しかし、予告なく利用規約が変更されることによって、不本意なかたちで手帳情報が使われないとも限らないわけです。こうした事態に歯止めをかける仕組みはあるのか、ご回答をお願いします。

三 関連して、マイナンバーと手帳情報が紐付けされた状態で更に電子端末のIPアドレスがわかれば、ネット上の観覧履歴等をロボットが手帳情報と関連付けて類型化できるようになります。実際にするかどうかというより、できてしまうということが重要になるわけです。そうすると、手帳と紐付けした情報群が成立したりなどするわけですが、我々の手帳情報がどのように使われているのかをすべて知ることはできるのか。また、手帳情報を事後的に削除してもらうことはできるのか、ご回答をお願いします。

【院内集会】神出病院事件を繰り返さないーー虐待事件の政策的解決に向けて

日時:2021年5月11日 11:30〜13:00
(11:00開場・ロビーにて入館証をお配りします。)
会場:衆議院第一議員会館・多目的ホール
(東京都千代田区永田町2-2-1)
※オンライン有り(事前申込み必須。視聴のみとなります。)

事務局:神奈川精神医療人権センター
TEL: 045-353-5711 E-mail: kp.kanagawapeer@gmail.com

チラシです。

定員:95名

趣旨:
神出病院での虐待事件が明らかになってから1年が経つこところです。未だに院内の虐待に関する一連の検証と再発防止が不確かな状況に、医療不信が高まるばかりです。残念ながら、このような虐待事件は枚挙に暇がない状況が続いていますが、精神科病院での虐待問題を防ぐための道筋はいまだに見えてきません。この度、課題意識を同じくする全国のネットワークの有志により、政策的な解決を見据えた①障害者虐待防止法改正、②指導監督制度見直し、③権利擁護者(アドボケイト)制度化、以上の3点を求める院内集会を開催します。

基調報告
・長谷川利夫(杏林大学)/桐原尚之(全国「精神病」者集団)
特別発言
・吉田明彦(兵庫県精神医療人権センター)
・小山聡子(日本女子大学)
・窪田澄夫(日本精神科看護協会)
・山本深雪(大阪精神医療人権センター)

共催:認定NPO法人大阪精神医療人権センター、兵庫県精神医療人権センター、神奈川精神医療人権センター、東京精神医療人権センター、埼玉県精神医療人権センター、認定NPO法人DPI日本会議、全国自立生活センター協議会、全国「精神病」者集団、大阪精神障害者連絡会、NPO法人こーらるたいとう、NPO法人横浜市精神障害者地域生活支援連合会、精神障害当事者会ポルケ

後援:日本障害フォーラム、NPO法人全国精神障害者地域生活支援協議会、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会、一般社団法人日本精神科看護協会、NPO法人全国精神障害者団体連合会、認定NPO法人日本障害者協議会、日本弁護士連合会、公益社団法人日本精神保健福祉士協会、NPO法人地域精神保健福祉機構、公益社団法人兵庫県精神保健福祉家族会連合会、神戸市精神障害者家族連合会

新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等について(令和3年4月23日発表)
東京都知事は、社会生活の維持に必要なものを除き、原則として無観客等で開催することを要請(法第24条第9項)しております。本集会は、必要性の高いものとの認識のもと積極的にリモートを取り入れ、感染防止策を徹底して開催します。

COVID-19と脱施設化に関する報告

国連障害者権利委員会の危機的状況と脱施設化のガイドライン作りに関する意見をまとめました。

https://www.ohchr.org/Documents/HRBodies/CRPD/InformativeNoteStakeholders_AsiaPacificConsultation.docx

COVID-19と脱施設化に関する報告(日本語)

 全国「精神病」者集団は、1974年に結成した精神障害者の個人及び団体で構成される全国組織である。オフィスは、日本の東京都にあり、アドボカシー活動や政策提言活動に取り組んでいる。
私たちは、第一に日本の精神医療施設の実情を報告する。日本が保有する病床は、約168万床である。そのうち精神病床は、約34万床である。精神病床の約9割は民間が保有している。民間病院の約8割は単科精神病院である(※厚生統計要覧)。多くの単科精神病院は、人里離れた山奥に建設されている。精神科病院には、50年以上の長期在院者が約1800人いるとの指摘がある(※2018年8月21日・毎日新聞)。
 私たちは、第二に日本におけるCOVID-19の問題を報告する。日本の精神医療施設では、COVID-19の感染防止策の名目で、面会や外出を制限する措置が講じられている。この措置は、法令に基づくものではなく、施設の独自の取り組みである。入院者は、施設外部や社会とのかかわりがなくなって孤立している。また、面会が外出制限は、施設外部の支援者にもアクセスできないため地域移行が停滞している。
それでも、日本の精神医療施設では、クラスターが頻繁に発生している。私たちの協力者が調べた限りでは、精神医療施設での感染率が市中感染の約4倍であり、死亡率は約4倍であった。入院している精神障害者は、外出できないため施設内にCOVID-19を持ち込むことはない。むしろ、入院している精神障害者は、閉じ込められて、逃げられないようにされて、持ち込まれたCOVID-19に感染させられている。
COVID-19が精神医療施設内でクラスターになりやすい理由は、日本の医療施設がインクルーシブなものではないからである。日本の医療制度は、精神障害者だけを隔絶したものであるため、他科の連携が著しく困難である。精神医療施設では、感染症の対応がほとんどできない。しかし、普通病院はCOVID-19に感染した精神障害者に対して、差別をして入院させずに精神医療施設に送り込んでいる。そのため、精神医療施設ではクラスターが後を絶たないのである。
 日本政府は、精神障害者へのワクチン優先接種という私たちの身体の侵襲を解決策として選び、精神医療施設の解体を先送りにすることを決めた。しかし、私たちは、COVID-19の脅威から精神障害者を解放するためにも精神医療施設の解体が必然であると考えている。

Report on COVID-19 and deinstitutionalization in Japan

Japan National Group of Mentally Disabled People was established in 1974, and is a national organization composed of individuals and organizations of people with psychosocial disabilities. We have an office in Tokyo, Japan, and are advocating our human rights, making policy recommendations, and so on.
Firstly, we would report situations of mental health system in Japan. There are about 1,680,000 beds, and about 340,000 of them are psychiatric beds. In addition, about 90 percent of psychiatric beds are in private psychiatric hospitals, and about 80 percent of private hospitals are single department hospitals . Most of the single department psychiatric hospitals are placed in areas isolated from the haunts of men. It is pointed out that about 18,000 inpatients have been hospitalized more than 50 years in psychiatric hospitals .
Next, we would report problems related to COVID-19 in Japan. Restrictions on visitation and going out have been introduced in psychiatric institutions in the name of preventive measures from infection of COVID-19. These preventive measures are not based on laws or ordinances but independent actions of the institutions. The inpatients of psychiatric institutions are disconnected from outside of the institutions and society, and isolated. In addition, these measures hinder access to supports out of the institutions, and make their transition to community slow down.
Nevertheless of these preventive measures, clusters of COVID-19 have been frequently occurring in psychiatric institutions. According to our supporter’s survey, the infection rate is four times higher and the death rate is four times higher than that of out of the institutions. Inpatients with psychosocial disabilities do not bring the virus into the institutions, because they cannot go out of the institutions. Rather, they are locked up, prevented from escaping, and infected with the virus brought from the outside.
The reason why the clusters of COVID-19 easily occur in the psychiatric institutions is that medical institutions in Japan are not inclusive. The medical systems prevent cooperation between psychiatric department and other departments, and isolate people with psychosocial disabilities. It is very difficult in psychiatric institutions to treat infection diseases. General hospitals, however, discriminate people with psychosocial disabilities who are infected with COVID-19, reject them from hospitalization and transfer them to psychiatric institutions. Therefore, the disease clusters endlessly occur in psychiatric institutions.
Japanese government decided to prioritize people with psychosocial disabilities on COVID-19 vaccination. This can be interpreted as that they choose invasion to our body instead of dissolution of psychiatric institutions as the disease preventive measure. We believe that dissolution of the psychiatric institutions is essential to release people with psychosocial disabilities from the thread to COVID-19.

性犯罪の見直しに関する声明

 私たち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
2017年に成立した刑法改正の積み残し課題として法附則第9条に基づき性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための刑事法に関する施策の在り方について検討が行なわれています。とくに、強制性交等罪の要件である「暴行・脅迫」の見直し、同意のない性交を処罰する不同意性交罪の創設、性行同意年齢の引き上げなどに関心が向けられています。
 しかし、強制性行等罪及び強制わいせつ罪は、被疑者が心神喪失等で不起訴や無罪になった場合には未遂も含めて医療観察法の対象となり得える刑罰累計です。医療観察法は、表向きは医療提供と社会復帰のための制度とされているため、冤罪であっても関係なく処遇決定を下し得ることになります。刑罰が可能な範囲と医療観察法対象者の範囲は、独立変数と従属変数の関係にあります。刑罰の対象範囲が広がれば、自ずと医療観察法対象者の範囲も広がるため、私たち精神障害者の生活に直接かかわってくることになります。
第一に、暴行・脅迫要件の見直し及び抗拒不能要件の見直しについてです。日本の刑法における強制性行等罪及び準強制性行等罪の法定刑は諸外国と比較しても極めて重い罰が規定されています。諸外国において暴行・脅迫要件のない強姦罪は存在しますが、その場合の法定刑は平均して4年以下の懲役です。法定刑の引き下げもなく、暴行・脅迫要件のみを撤廃させるでは重罰化でしかありません。諸外国並みに法定刑を引き下げるのであれば、暴行・脅迫要件と抗拒不能要件の撤廃に反対しませんが、法定刑の引き下げもなく、同要件のみを撤廃させるようなものであれば反対せざるを得ません。
 第二に、性行同意年齢の引き上げについてです。日本の性行同意年齢は、諸外国と比較して、やや低めに設定されているとの指摘があります。しかし、性行同意年齢を14歳以上に設定している全ての国が性行同意年齢以下の児童に対する性行為を直ちに刑法の強制性行等罪にしているわけではありません。日本の現行法で14歳以上の児童に対する性行為は、児童福祉法や淫行条例のなかに処罰規定があり、程度の差があれども法益自体は保護されています。他方で法律に基づく未成年者の定義は18歳に引き下げられ、18歳以上で選挙権が付与されるようになった中で性行同意年齢は引き上げるでは、一貫性を欠いています。全体を通じて性行同意年齢の引き上げにかかわる立法事実は不明と言わざるを得ません。立法事実が曖昧な提言によって医療観察法対象者の範囲拡大を帰結させることは看過できません。よって性行同意年齢の引き上げには反対します。
 第三に、不同意性行罪についてです。まず、この場合の同意の意味するところが明らかではないため恣意的に運用される可能性が否めません。とくに精神障害者は、同意と能力をめぐるさまざまな場面を経験しており、表示行為としての同意があれば良いという安直な考えを支持するわけにはいきません。形式面の同意に還元することが性暴力の防止につながると考えません。
 諸外国と同様程度に法定刑の引き下げが議論されるべきところ、暴行・脅迫要件撤廃及び抗拒不能要件撤廃、性行同意年齢の引き下げばかりが議論されるのは、単なる厳罰化であると言わざるを得ません。ここ数年、報道がワイドショーでの視聴率の取るために、あからさまに恐怖を煽ったり、犯人の残虐性を強調したり、被害者の悲しみや怒りを情緒的に伝えるなどして、事実解明重視型の報道を怠った結果、実際のデータとはかけ離れた感覚での社会不安が高まる体感治安やモラルパニックとよばれる問題が起こってきました。
 被害者の気持ちに寄り添うことは必要ですが、重罰化が問題解決の糸口であるかのような印象をもたせていく被害者感情論を利用した重罰化の風潮は支持できません。刑法改正の検討過程では、精神障害者の声を聞いた上で国民的議論をしていく必要があると考えます。

2021年4月30日

性犯罪の見直しに関する意見書

法務省大臣官房司法法制部司法法制課長 丸山嘉代 様
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 赤澤公省 様

 余寒の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 私たち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
さて、2017年に成立した刑法改正の積み残し課題として法附則第9条に基づき性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための刑事法に関する施策の在り方について検討が行なわれています。とくに、強制性交等罪の要件である「暴行・脅迫」の見直し、同意のない性交を処罰する不同意性交罪の創設、性行同意年齢の引き上げなどに関心が向けられています。
 しかし、強制性行等罪及び強制わいせつ罪は、被疑者が心神喪失等で不起訴や無罪になった場合には未遂も含めて医療観察法の対象となり得える刑罰累計です。医療観察法は、表向きは医療提供と社会復帰のための制度とされているため、冤罪であっても関係なく処遇決定を下し得ることになります。刑罰が可能な範囲と医療観察法対象者の範囲は、独立変数と従属変数の関係にあります。刑罰の対象範囲が広がれば、自ずと医療観察法対象者の範囲も広がるため、私たち精神障害者の生活に直接かかわってくることになります。そのため、刑法改正の検討過程では、精神障害者の声を聞いた上で国民的議論をしていく必要があると考えます。
 下記のとおり、意見をまとめましたので、よろしくお願い申し上げます。

(1)構成要件の見直しと法定刑
 暴行・脅迫要件の見直し及び抗拒不能要件の見直しについては条件付きで反対します。日本の刑法における強制性行等罪及び準強制性行等罪の法定刑は諸外国と比較しても極めて重い罰が規定されています。その狙いは、極端に悪質な行為を取り上げて重罰を科すことで、一般的な自由意志の法益保護を達成することにあると考えています。いいかえれば、法定刑を軽くしてより多くの性犯罪を処罰する以上に効果的な法益保護機能なのだと思います。
 諸外国において暴行・脅迫要件のない強姦罪は存在しますが、その場合の法定刑は平均して4年以下の懲役です。法定刑の引き下げもなく、暴行・脅迫要件のみを撤廃させるでは重罰化でしかありません。諸外国並みに法定刑を引き下げるのであれば、暴行・脅迫要件と抗拒不能要件の撤廃に反対しませんが、法定刑の引き下げもなく、同要件のみを撤廃させるようなものであれば反対せざるを得ません。

(2)性行同意年齢
 性行同意年齢の引き上げについて検討されています。日本の性行同意年齢は、諸外国と比較して、やや低めに設定されているとの指摘があります。しかし、性行同意年齢を14歳以上に設定している全ての国が性行同意年齢以下の児童に対する性行為を直ちに刑法の強制性行等罪にしているわけではありません。日本の現行法で14歳以上の児童に対する性行為は、児童福祉法や淫行条例のなかに処罰規定があり、程度の差があれども法益自体は保護されています。他方で法律に基づく未成年者の定義は18歳に引き下げられ、18歳以上で選挙権が付与されるようになった中で性行同意年齢は引き上げるでは、一貫性を欠いています。
 全体を通じて性行同意年齢の引き上げにかかわる立法事実は不明と言わざるを得ません。立法事実が曖昧な提言によって医療観察法対象者の範囲拡大を帰結させることは看過できません。よって性行同意年齢の引き上げには反対します。

(3)不同意性行
 不同意性行罪は、検討に値しません。まず、この場合の同意の意味するところが明らかではないため恣意的に運用される可能性が否めません。とくに精神障害者は、同意と能力をめぐるさまざまな場面を経験しており、表示行為としての同意があれば良いという安直な考えを支持するわけにはいきません。同意の有無の証明方法にも課題があります。
 そもそも、性行の同意は形式的であるべきではなく、社会通念上の常識に従い、相手への思いやりをもって接すれば、刑罰の対象にしなければならないほどの事態は生じ得ません。形式面の同意に還元することが性暴力の防止につながると考えません。

(4)重罰化
 諸外国と同様程度に法定刑の引き下げが議論されるべきところ、暴行・脅迫要件撤廃及び抗拒不能要件撤廃、性行同意年齢の引き下げばかりが議論されるのは、単なる厳罰化であると言わざるを得ません。ここ数年、報道がワイドショーでの視聴率の取るために、あからさまに恐怖を煽ったり、犯人の残虐性を強調したり、被害者の悲しみや怒りを情緒的に伝えるなどして、事実解明重視型の報道を怠った結果、実際のデータとはかけ離れた感覚での社会不安が高まる体感治安やモラルパニックとよばれる問題が起こってきました。
 被害者の気持ちに寄り添うことは必要ですが、重罰化が問題解決の糸口であるかのような印象をもたせていく被害者感情論を利用した重罰化の風潮は支持できません。
以 上 

障害者差別解消法改正法案に関する要望書

自由民主党政務調査会
障害児者問題調査会長 衛藤晟一 様

 余寒の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、今国会に提出予定である障害に基づく差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律案について障害者の権利に関する条約の趣旨を鑑みたものとなるように下記の通り、要望を申し上げます。

一、障害者差別解消法改正法案に賛成します。

二、障害者差別解消法には、いくつかの重大な課題が残されています。今回の見直しでは、先送りにせざるを得なかった内容であっても、継続的な検討をおこなえるように質問時間については十分な時間を確保してください。

三、障害者の権利に関する条約第三十九条による障害者の権利に関する委員会からの提案及び一般的な性格 を有する勧告が行われたときには、障害者を代表する団体の参画の下で、当該提案及び勧告に基づく現状 の問題点の把握を行い、法律の見直しを始めとする必要な措置を講じるように政府に求めてください。
以 上 

「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案」に対する意見

内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室

1.趣旨(意見内容)
まん延防止等重点措置を集中的に実施すべき事態におけるまん延防止のために必要な措置として、措置を講じない者の入場の禁止を規定する措置が規定されている。これについては、以下の通り修正が必要である。

「まん延防止等重点措置を集中的に実施すべき事態におけるまん延防止のために必要な措置として、従業員に対する検査受診の勧奨、入場者の整理等、発熱等の症状を呈している者の入場の禁止、手指の消毒設備の設置、施設の消毒等、入場者に対する マスクの着用等の感染の防止に関する措置の周知、当該措置を講じない者の入場の原則としての禁止を規定する。」

2.理由
 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律第7条に基づく合理的配慮の意思の表明があった場合などに限り、マスク未着用であることや体温が平均より高温であるというだけで直ちに入場を禁止しなければならないかのような誤解が生じないような書きぶりに改める必要がある。具体的には、「原則としての」を加えることで例外があることを明確化することである。
 なお、原則に対する例外としては、次のような具体例が考えられる。
①顔面の皮膚の接触過敏に係る障害や口まわりを布で覆われることに伴う恐怖症、不安障害などへの配慮として条件付きでマスクの着用をしない状態での入場を認める場合。
②体温の平熱が37度を超える者に対して、発熱であると誤解して入場禁止することがないように条件付きで入場を認める場合。
 但し、これらはあくまで例であって、特定の症状に対して画一的な方策を講じるものと捉えるべきではない。合理的配慮は、個別の意思の表明ごとに方策を検討すべきものである点を踏まえて、法令に基づく場合に限って例外を認める点を強調していただきたい。
以上

◆新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律の 施行に伴う関係政令の整備に関する政令案」について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060210204&Mode=0

新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に関する要望書

立憲民主党政務調査会長 泉ケンタ 様

 日ごろより病者・障害者の地域生活、施策にご尽力くださり心より敬意を表しております。
 私たち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 さて、2021年1月22日、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案が閣議決定されました。同法案は、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正と感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部改正を一括したものです。新型インフルエンザ等対策特別措置法改正では、営業時間短縮や施設の使用制限の命令に応じない場合の処罰規定が盛り込まれており、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部改正では、新型コロナウイルス感染症の患者・感染者が入院措置に反したり、積極的疫学調査・検査を拒否する場合の処罰規定が設けられています。
 しかし、本来なら現行の感染症法第19条は、「患者の同意」を限定的に抑制するパターナリズムに基づく手続きを定めた規定であり、従わなければ処罰するというかたちで同意自体に保護法益を認めようとするものではありません。かつ、このような処罰規定は、感染しているというだけで罰則を伴う入院勧告・措置の対象になるため、それを忌避するために検査を受けないという行動を誘発する可能性まであり逆効果です。そしてなによりも感染症であることを理由とした刑罰を容認することは、患者の差別、偏見を助長するものであり、きわめて問題があります。このままの内容ならば同法案には反対せざるを得ません。
 つきましては、下記の通り要望を申し上げます。

入院措置に応じない場合又は入院先から逃げた場合に罰則を科すること及び感染症の患者等が積極的疫学調査に係る質問に対して正当な理由がなく答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は正当な理由がなく調査を拒み、妨げ若しくは忌避した場合に罰則を科することについては、過料を含む処罰規定を削除する法案修正をしてください。また、営業時間短縮や施設の使用制限の命令に応じない場合の処罰規定についても削除する法案修正をしてください。
以 上