診療報酬及び障害福祉報酬の改定に関する要望書

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課長 小林 秀幸 様

 日ごろより精神障害者の地域生活、施策にご尽力くださり心より敬意を表しております。
 現在、診療報酬及び障害福祉報酬の改定作業が進められております。これらが障害者の権利に関する条約(以下、「障害者権利条約」とする。)の趣旨を鑑みたものとなるように、下記のとおり意見を申し上げます。

Ⅰ 診療報酬について
(1)外来診療
外来の継続を報酬で評価できるようにしてください。また、オンライン診療の導入を報酬で評価できるようにしてください。

(2)入院医療
報酬体系を他科と同様のものに近づけるようにしてください。例えば、人員等については、結核病床入院基本料や障害者施設等入院基本料を含む他科と同様の入院基本料7:1を創設し、人員の配置を報酬で評価できるようにしてください。
加えて、重症度医療看護必要度判定の導入をはじめ、施設基準を他科と同様の体系にしてください。

(3)悪質な回転ドア問題への歯止め
悪質な回転ドア問題に歯止めをかけるべく、地域移行(転院・転科を除く)に係る加算を充実させるとともに、地域生活の期間が一定下回る場合には減算する仕組みを導入してください。

(4)非自発的入院及び長期入院
非自発的入院及び長期入院が報酬で助長されないようにしてください。早急に精神科救急の非自発的入院6割要件は廃止してください。
また、長期入院需要の受け入れ先が郊外の大規模な病院であることが多いため、精神療養病棟入院料を将来的な廃止を視野に入れつつ大幅に引き下げた上で、一定の病床数を越えている病院には減産を適用する仕組みを導入してください。
てください。
入院基本料25:1以下を廃止してください。

(5)措置入院者退院支援加算
 措置入院者退院支援加算は、対象を任意入院にまで拡大し、入院者退院支援加算へと改めてください。

(6)不適切な身体的拘束等をゼロにするための取り組み
現行の診療報酬の仕組みは、行動制限を促進するきらいがあるため、行動制限を縮減するような報酬上の仕組みを導入する必要があります。
身体的拘束管理及び隔離管理は、要件を満たさない場合に減算する仕組みを定めてください。また、身体的拘束の理由を切迫性・非代替性・一時性の三要件ごとに診療録に記載をしなければ減算する旨の要件を定めてください。

Ⅱ 障害福祉サービス報酬改定
(1)ピアサポート加算
ピアサポート加算は、訪問系サービスなどにも拡大してください。また、ピアサポート加算の要件である障害者ピアサポート養成研修のカリキュラムは、経験の活用だけではなく立場に基づくピアサポートという観点からブラッシュアップを推進してください。

(2)共同生活援助
共同生活援助の中は、実体的に施設と変わらないところが少なからずあります。共同生活援助については、大規模型(定員20人以上)を報酬の対象から除外してください。また、共同生活援助から独居に移行した場合には、福祉の切り捨てにならないように留意しつつ、居住支援協議会連携加算をはじめとする報酬で評価する仕組みを導入してください。

(3)療養介護における同性介助の推進
 療養介護においては、他事業と比較しても同性介助が浸透していないと評価せざるを得ません。同性介助を推進するための体制整備を報酬で評価する仕組みを導入してください。
 以 上