【声明】愛知県警岡崎署留置場で勾留中の男性が死亡した件について

 私たち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 2022年12月4日、愛知県警岡崎署の留置場で勾留中の男性が死亡しました。男性は、保護室にて戒具と呼ばれるベルト型の手錠を用いて100時間以上にわたり隔離・拘束されていました。男性には精神疾患があり、裸のままでの隔離・拘束が行われていたとのことです。施設内の監視カメラには、男性を複数の署員が足で蹴って動かすような様子が映っていたとされます。また、男性には糖尿病の持病がありましたが勾留中に薬が与えられることがありませんでした。死因となった腎不全は糖尿病により悪化する疾患です。「精神疾患に気を取られ糖尿病の処置を忘れていた」と対応した署員が話したとされています。
 事件を受けて、隔離・拘束した理由が適正だったか、100時間以上という隔離・拘束の時間が適正だったか、隔離・拘束中はエコノミークラス症候群等の死亡事例もあり健康上のリスクが高まるという予備知識を署員が共有していたか、そのリスクを想定した上での処遇であったのか、暴行は現場の警察官だけが責任を取るのが妥当なのか、被勾留者の持病への配慮をしなかった責任はどうなるのか、裸状態での放置という虐待にどのような責任を取るつもりなのか、など疑問を述べると枚挙にいとまがありません。
 本件にかかわった警察官及び警察署には、障害者を虐殺したことを糾弾するとともに、徹底した自己省察を望みます。被勾留者が不適切な処遇によって死亡する悲劇が繰り返されないことを望みます。

2022年12月6日