精神保健福祉士養成課程のカリキュラムの修正を実現しました

 全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 2019年6月28日に公表された「精神保健福祉士養成課程のカリキュラム(案)」には、14現代の精神保健の課題と支援の③社会的排除と社会的障壁、2日本の精神保健福祉施策に影響を与えたできごととして、想定される教育内容の例に相模原事件(以下、「津久井やまゆり園事件」とする。)を精神保健福祉法における措置入院の見直し等と書き込まれました。2019年7月26日、私たちは「精神保健福祉士養成課程のカリキュラム(案)に対する声明」を出して修正を免れないと断じました。そして、2020年3月6日の最終とりまとめでは、措置入院の見直し等のくだりは完全に削除されました。
 さて、精神保健福祉法改正法案は、何があっても、ほとんどの内閣提出法案を成立させてきた現政権において唯一、廃案となり再提出の目処が立っていない法案となりました。精神保健福祉法の審議過程では、法案概要資料の趣旨の部分に変更が加えられるという前代未聞の珍事件が起こり、立法府の歴史においても2件しかない参議院先議法案の継続審議を帰結しました。なお、もう1件の参議院先議法案は、精神保健福祉法改正法案のように賛否の対立により継続審議になったものではないため、より重く受け止められなければなりません。そして、忘れてはならないのは、精神保健福祉法改正法案が内閣総理大臣の施政方針の法案であったのにも関わらず賛否の対立により継続審議になり、のちに廃案になったことです。このことからも精神保健福祉法改正法案が立法府の歴史上、まったく前例のない顛末をむかえたことがわかると思います。その後、精神保健福祉法改正法案が上程されましたが、私たち当事者が反対したことで廃案になり、現在に至っています。
 このたび措置入院の見直しのくだりは完全削除に至ったわけですが、精神保健福祉法改正法案廃案及び再上程遅滞の事実を重くみて二度とこのようなことが起きないように繰り返し訴えていきたいと思います。
   2020年3月26日