障害者差別解消法の見直しに関する要望書

内閣府障害者政策委員長 殿
内閣府障害者制度改革担当室 御中

 日ごろより障害に基づく差別の解消の推進にご尽力くださり心より敬意を表しております。
 さて、障害者政策委員会では、障害に基づく差別の解消の推進に関する法律(以下、「障害者差別解消法」とする。)の施行3年後見直しに関する検討がおこなわれています。
 障害者差別解消法の施行3年後見直しが障害者の権利に関する条約の趣旨を鑑みたものとなるように下記の通り、ご要望を申し上げます。

1.差別の定義を盛り込むこと
 障害者差別解消法の見直しに際して、差別の定義を明記し、直接差別、間接差別、関連差別、合理的配慮の不提供を差別と定義し、その内容を明らかにしてください。

2.各則を盛り込むこと
 分野ごとに具体的な差別や合理的配慮の提供例を盛り込んだ各則を法文に盛り込んでください。

3.民間事業者も合理的配慮の提供を義務化すること
 民間事業者も合理的配慮の提供を義務化してください。併せて事業者に対して具体的にどのような合理的配慮を提供すれば良いのかについて相談できる窓口を設置してください。合理的配慮の提供に関する事業者や市民に対し普及啓発も行ってください。

4.紛争解決の仕組みと相談窓口の体制整備を行うこと
 政府から独立した裁判外紛争解決の仕組みをつくり、相手方との調整、調停を行う権限を持たせ、法律の実効性を担保することを求めます。その構成メンバーは、障害当事者団体、法律家等としてください。
 なお「差別していない」ことの立証責任は、この仕組みにおいて、差別したと訴えられた側に第一義的にあることとし、それを反証する権利は訴えた側にあることとしてください。
障害者差別解消法における相談体制については、障害者が地域の身近なところで安心して相談できる障害当事者が構成メンバーに加わったものにしてください。

5.司法救済をできるようにすること
 司法救済を妨げない裁判規範性のある規定を法律の中に位置付けてください。

6.立法府と司法府についても障害者差別解消法の対象とすること
 障害者差別解消法の対象が行政機関や民間事業者となっていることから、立法府や司法府についても法の対象とし、さらに実効性を高めてください。
以 上