緊急声明
旧優生保護法救済法案の審議入りにあたって
私たち全国「精神病」者集団は、1974年に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
本日、衆議院厚生労働委員会において「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律案」の審議入りが予定されております。
本法案の審議は、委員長が6分間の趣旨説明をおこない、内閣からの意見聴取の後にそのまま採決をするという極めて時間をかけないようなかたちになっています。
さて、本法案には旧優生保護法の影響により母体保護法以降も同様に手術された人たちを救済対象にはしていません。私たちは、2003年に家族の強い要請で精神障害を理由に精管結紮術(パイプカット)をされた片方司さんの支援を通じて、これが旧優生保護法によって引き起こされた問題であると強く感じました。旧優生保護法下において手術された人とまったく同様の被害に遭われた人たちが救済の対象から漏れてしまうのはおかしいと思います。このことは、すでに弁護団や謝罪を求める会をはじめとする多くの関係団体からも意見が出されています。
また、立法府に対しては、これまで質疑時間を確保し議事録でこうした課題を確認できるようにしてほしいと慎重審議を求めてきました。しかし、まったく質疑時間が確保されることがないまま審議入りすることになったため、上述の課題の確認さえもできないまま法案が成立してしまうことになります。たいへん、残念なことだと思います。
以上のことから、私たちはこのような審議の方法を支持しないことを強く主張するとともに、救済対象から漏れた仲間とともに、この問題に取り組んでいきたいと思います。
2019年4月10日
全国「精神病」者集団
共同代表 関口明彦・桐原尚之
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