中央省庁による障害者雇用水増し問題に関する意見書

 私たち全国「精神病」者集団は、1974年に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織である。
 このたび発覚した中央省庁や自治体等における障害者雇用水増し問題は、政府が2018年3月に閣議で決定した「第4次障害者基本計画」の「国の機関においては民間企業に率先垂範して障害者雇用を進める立場であることを踏まえ、法定雇用率の完全達成に向けて取り組むなど、積極的に障害者の雇用を進める」とする明文規定に背き、実に40年にもわたって法律違反を重ねてきた由々しき問題である。障害者雇用の水増し数は、2017年度だけでも3400人を下回らないとされている。同時に私たち障害者は、実に40年にわたって雇用の機会を奪われてきたわけであり、言葉にできないほどの大きな衝撃をうけている。
 また、40年余にわたって不正を正せなかった障害者雇用の所轄庁である厚生労働省の責任は重大と考える。個々の省庁の責任は言うに及ばず、内閣を中心に政府の中枢および閣議としての責任が問われるものと考える。
 以上の観点から次のとおり、意見を述べる。

一、各省庁の水増し数の正式な数、障害別、性別、42年間の累計数など、精緻な数値を詳らかにすべきである。この問題の本質には、障害者を雇いたくないという差別的な本音が見え隠れしているわけだが、42年間、関係者が口を閉ざし明るみにされなかった理由についても検証し、明らかにされるべきである。

二、上記事項に加えで実質的で本格的な検証体制を確立する上では、政府自らの不正の検証を恣意的な人選でおこなうべきではない。障害種別等に配慮した障害当事者団体の代表を含む、透明度の高い検証体制が不可欠である。

三、行政自らに不正があれば指導力が鈍るのは必至である。民間企業の障害者雇用に悪影響が及ぶことがないよう直ちに襟をただして法定雇用率を達成し、再発防止に向けた厳正な措置を講じるべきである。

    2018年8月27日
                      全国「精神病」者集団

蘇生会総合病院・東徹様宛 公開質問状

蘇生会総合病院
東徹 様

公開質問状

 平素より、精神障害者の地域生活にご尽力いただき誠にありがとうございます。私たち全国「精神病」者集団は、1974年に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 さて、日経メディカルに掲載されていた東徹先生の文章を読みました。残念ながら日経メディカルに掲載された文章からは、記事を書き世に問うていく者としての責任が十分に感じられませんでした。記事の内容は、拘束や医療安全をめぐる政策の国内外の全体像をほとんど把握していないまま、ネットで調べたことと憶測・推論が目立つ構成となっています。そして、なによりも患者団体から抗議があった経緯を記述せず、日本の私立精神科病院を代表する組織の雑誌に会長が巻頭言で「精神科医にも拳銃を持たせて」と書くことに対しても、文脈によっては擁護できるかのような書きぶりに読めます。
 私たちは、会員及び非会員多数から当該巻頭言をめぐる医療不信のうったえの相談にのり、あくまで事態の収束のために、まずは日本精神科病院協会(以下、「日精協」とする。)に対して相談の問い合わせをしました。私たちは、決していきなり公開の抗議文を出したわけではなく、あくまで真摯に話し合いを求めたわけです。しかし、日精協は話し合いを拒絶し、電話口で「文書で回答するからいいでしょ!」などと横柄な態度をとり、結果としてこのような事態を招きました。
 こうした経緯について全ての医師は患者及び患者組織に対して医師の自浄作用を約束するべきだと思っています。つきましては、下記の質問にご回答をお願いします。誠に勝手ながら2018年8月末日までにご回答ください。

一、東先生は、日本の私立精神科病院を代表する組織の雑誌に会長が巻頭言で「精神科医にも拳銃を持たせて」と書くことを文脈によっては擁護するのか、立場を明らかにされたい。

二、「精神科医にも拳銃を持たせて」の一言によって患者に医療不信を与えた事実をどう考えているのか、医師としての見解を明らかにされたい。

三、「精神科医にも拳銃を持たせて」の一言を政治的に擁護するだけで患者の医療不信などに配慮や想像力の及ばない精神科医をどう思われるか見解を明らかにされたい。

措置入院に係る各地での闘い方について(方針・vol. 7)

趣 旨
 このたび厚生労働省は、精神保健福祉法改正法案の第196回国会上程を事実上見送ることを決めました。非予算関連法案の閣議決定の締切日は、原則として3月13日です。この日までに厚生労働省は、精神保健福祉法改正法案の閣議決定をしなかったため、よほどのことがない限り、今国会への上程はないと考えてよいでしょう。
 他方で厚生労働省は、精神保健福祉法改正法案の成立遅延に伴い、措置入院に関しては法改正を後回しにして先に運用の強化をはかる方針を決めました。ここでいう運用の強化とは、すでに法改正以前から地方公共団体が実施している退院後支援などの運用を整理することを趣旨としたものであり、法改正が趣旨とする相模原事件の再発防止策を契機とした退院後支援計画の作成義務化、警察が入る精神障害者支援地域協議会の設置とは、すべてが同じレベルで捉えられるものではありません。よって措置入院者退院後支援ガイドラインや診療報酬が法改正を先取りするものであるかのような捉え方は、必ずしも正しい理解とはいえないでしょう。
 私たちは、厚生労働省の描く大きな設計図のどの部分に運用強化が位置付き、どの部分が法改正に位置付くのかなど、しっかりと見極めるとともに理解しておく必要があります。ところが、今回の法改正とガイドライン、診療報酬の関係については、運動体の中でも相当の混乱が見られます。今後、運動を進めていく上では、今、何に取り組むべきかが示された方針が必要となります。そこで、全国「精神病」者集団としては各地の闘い方の方針(ガイドライン)を作成することにしまた。

これから取り組むべきこと(概要・簡単版)
①「退院後支援は措置入院を経験した任意入院者が同意した場合に限るべきである」旨の要望書を作成して居住地の都道府県及び政令市に提出してください。
②精神障害者支援地域協議会の設置の見送りを求める要望書を作成して居住地の都道府県及び政令市に提出してください。
③もし、精神障害者支援地域協議会が設置されてしまった場合は、代表者会議に必ず精神障害当事者の団体(障害者団体)と弁護士が入るように要望し、グレーゾーン対応等の警察の介入を阻止してください。
④都道府県、市町村に対しては、障害者差別解消法の研修を精神障害当事者が担えるように働きかけをしていってください。
⑤退院後支援で警察が援助関係者として入っている仲間と出会ったときには、本人に働きかけて警察が参加できないようにして下さい。
⑥警察の接遇上の問題改善については、障害者差別解消法の研修の講師に当事者が入ることで解決し、協議会の中で独自の方法で取り決めるようなことは避けてください。

Ⅰ 共通の理解のために必要な情報
1 法改正の射程
改正法案は、相模原事件の再発防止策を契機としたもので、保健所設置自治体による退院後支援計画作成の義務化、警察が入る精神障害者支援地域協議会の設置などが規定されています。退院後支援に関する法改正の射程は、あくまで計画の義務化であって、実際の退院後支援の中身については、地方公共団体の裁量ということになります。「措置入院の運用に関するガイドライン(平成30年3月27日・障発0327第15号)」(以下、運用ガイドライン)、「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン(平成30年3月27日・障発0327第16号)」(以下、退院後支援ガイドライン)は、法改正とは区別が必要です。なお、退院後支援ガイドラインは、拘束力のない技術的助言(地方自治法第245条の4第1項)であり、運用ガイドラインは、一部を除き処理基準(地方自治法第245条の9第1項)となります。
私たちにとっては、退院後支援よりも精神障害者支援地域協議会の方が問題で、法改正後に都道府県等にグレーゾーン対応などの方針作成を求める運用通知が出される予定となっています。こちらは、ガイドラインのような拘束力のない技術的助言とは異なり、いわゆる拘束力のある通知に該当します。

2 退院後支援の中身について
全国の都道府県及び政令指定都市計67カ所中、法改正以前から措置入院者退院後支援を実施している自治体が59カ所、実施していない自治体が8カ所あり、退院後支援を実施している自治体のうち3カ所が援助関係者として警察官を入れています。また、明文化されたルールがある自治体が7自治体、明文化されたルールがない自治体が52自治体であり、退院後支援を実施しているほとんどの自治体に明文化されたルールがないことがわかります。それでこそ、事件が発生した相模原市には事件発生以前から「措置入院者に対する支援のあり方ガイドライン」という明文化されたルールがあります。なお、事件後は対象者の範囲を拡大する修正がおこなわれました。このような地方公共団体ごとの取り組みを円滑にする目的で国は措置入院者退院後支援ガイドラインを定めることにしたわけです。
改正法案の審議では、相模原事件の再発防止策を契機とした措置入院者退院後支援(厳密には計画作成の義務化)であったため監視強化になるとの懸念がありました。しかし、ガイドラインは必ずしも法改正を前提としないため、相模原事件の再発防止策という文脈を除いた場合には、もう少し別の評価を与えていかなければならないでしょう。

3 診療報酬
このたび健康保険、介護保険、障害者総合支援法のトリプル報酬改訂がおこなわれ、健康保険の診療報酬項目には、地方公共団体が措置入院者への退院後支援計画を作成した場合に病院に報酬が下りる項目が新設されました。これも相模原事件の再発防止策を契機とした法改正とは基本的に別の性格と考えてよいです。

4 グレーゾーン対応
実際の退院後支援は、法改正によらずとも可能ですが、精神障害者支援地域協議会運用通知は、法改正をしなければ発布できません。相模原事件の再発防止策を契機に出されたグレーゾーン対応は、精神障害者支援地域協議会運用通知において規定されることとなっています。グレーゾーン対応は、精神障害者支援地域協議会の代表者会議の議論を経て都道府県ごとにグレーゾーンへの対応指針を定めることとされています。グレーゾーンとは、「確固たる信念をもって犯罪を企画する者」や「違法薬物依存症者」など医療と警察の両方が関わるもので、第193回国会の議事録によると措置入院の診察時にグレーゾーンを発見した場合には都道府県が警察に情報提供することとされています。

5 措置入院運用ガイドライン
措置入院の運用には、少なからず都道府県ごとのバラツキがありました。特にどう見ても措置入院対象者ではなさそうな人が警察官通報で措置入院になっている事例が各地で散見され問題を認めました。こうした諸問題の解消を趣旨として、運用ガイドラインが定められることとなりました。
 運用ガイドラインには、「Ⅷ 地域の関係者による協議の場」が定められており、精神障害者支援地域協議会の代表者会議のようなものが想定されています。とくに「困難事例への対応のあり方など運用に関する課題」の部分は、まさしくグレーゾーン対応の連続し得るものです。なお、この部分は処理基準(地方自治法第245条の9第1項)に該当しません。おそらく、本来は法改正しなければ出せない精神障害者支援地域協議会運用通知の内容を一部先取りしたために、このようなかたちになったのだと思います。

Ⅱ 各地の運動の方針
6 退院後支援に対する考えをまとめて都道府県に意見をだしていきましょう
私たちは、相模原事件の再発防止策とは別ものである「退院後支援」について都道府県・政令都市に対してなにが必要でなにが不要なのかを具体的に意見を出していく必要があります。
私たちとしては、仮に措置入院を繰り返す人に対して継続的な医療が必要な場合があると認めたとして、非自発的入院下において非同意で支援を開始することは結局のところ継続的な医療にはつながらないと考えます。なぜなら、医療の継続には自発的意志が不可欠だからです。それは、訪問看護などの方法を用いる場合でも同じです。また、訪問看護を利用していない場合、通院が途絶えた患者に対して病院が家に電話をしたり、訪問をしたりする“おせっかい”が考えられていますが、これとて同意なしで行うのならば “いらない迷惑”に過ぎないと思います。
すなわち、退院後支援を実施するには、必要としている任意入院者に対して同意を得て行なう場合に限るべきなのです。
つきましては、居住地の自治体に対して「退院後支援は任意入院者に同意を得た場合に限るべきである」ことを強く要求してください。

7 退院後支援における拒否の意志を支えてください
退院後支援に同意しなければ退院させない場合、あるいは同意を撤回したことを理由とした不利益な扱いをほのめかすなどのかたちで事実上、本人の意志によらない“同意”が同意として処理される可能性があります。こうした場合、地域で精神障害者の権利を支える病院職員以外の支援者が必要です。とくに精神保健領域では、患者の拒否の意志が踏まえられないことが多いため、拒否の意志を支える人が必要です。患者の本心に寄り添う支援者を獲得していってください。

8 人員配置予算・地方交付税法
2017年度予算では、退院後支援計画の作成を担う職員(PSW)を保健所に配置できる金額が地方交付税法で確保されました。この予算は、紐付きの補助金ではないため、各地方公共団体の裁量で使える予算となります。
多くの地方公共団体では、法改正されていないことを根拠に人員配置のために予算が使われませんでした。そのため、中には私たちが法改正を阻止したがゆえに人員配置が進まなかったかのような誤った意見も一部に見られました。しかし、あくまで地方交付税は地方公共団体の裁量で使えるものであるため、地方公共団体が予算を付けない判断を下しただけに過ぎず、法改正は関係ありません。なお、例外として埼玉県のように人員配置等の予算をすべて県独自の予算を財源にしている地方公共団体もありますが、こうした地域は2018年度中に退院後支援の計画作成が盛んにおこなわれることになります。
各地の闘い方としては、退院後支援をするために人員を配置すべきか、配置するべきではないのか、民間事業者に委託するのか、あるいは退院後支援はしないけども人員配置はするのか、など運動の方針を固めて取り組んでください。人員配置にあたっての注意点は、監視にならないようにすることです。なので、監視にならないという自信がある地域以外は、無理に配置・委託しようとは考えない方がよいと思います。

9 グレーゾーン対応方針を阻止すること
仮に代表者会議が設置されてしまった場合には、グレーゾーン対応方針の作成を全力で阻止してください。グレーゾーン対応方針は、精神障害者支援地域協議会運用通知で大枠が示されることになっており、なにもしなければそのまま素通りしてしまいます。阻止するにあたっては、都道府県・政令市に対して代表者会議に精神障害当事者団体(障害者団体)と弁護士を入れるよう求めてください。とくに弁護士は警察へのカウンターパワーとして、他の職種よりは少しだけ期待できます。
私たちの立場は、グレーゾーンなど存在しないということです。グレーゾーンの理論上の弱点は、ずばり医療と警察が棲み分けながら連携して支援する必要がある人(グレーゾーン)とはどういう人であるのか、実像がわからないところにあります。法律の建前としては、精神保健指定医が精神障害に起因する他害のおそれを判断できることになっているため、疾病に由来する他害は治療によって解消されることになります。グレーゾーンとは、これに加えて「確固たる信念をもって犯罪を企画する者」や「違法薬物依存症者」などで警察が入る必要がある場合を兼ねるものとされています。しかし、治療は治療でおこない、警察は警察で動けばいいだけのことなので両者が連携する必然性はどこにもありません。そのため、わざわざグレーゾーン対応方針を作るべきではありません。このことを前面に出してグレーゾーン対応方針を阻止してください。

10 警察官の接遇改善等に取り組んでください
 精神障害者支援地域協議会の代表者会議は、支援体制を協議する場であり、専ら医療と警察の関係について事前に方針を定めておくことを目的に設置されます。一部では、これによって警察の動きを抑止し、接遇改善の契機にすることが目指されています。しかし、接遇改善については、障害者虐待防止法上の研修を活用することや障害者差別解消法の研修や機能を活用することで一定の成果が見込めます。むしろ、効果的な警察職員の接遇改善は、担当者一人が出席しておこなう協議の場よりも、関係する全職員に向けて実施される研修の方が方策として妥当です。
すると、代表者会議の中で協議して方針を定める必要性もなくなります。また、法改正後に発布が予定されている精神障害者支援地域協議会運用通知にも、代表者会議に警察関係者を入れる内容を書き込む必要がなくなります。
都道府県、市町村に対しては、障害者差別解消法の研修を精神障害当事者が担えるように要望書を出すなど働きかけをしてください。

11 援助関係者として警察関係者が入ることについて
ガイドラインでは、警察関係者が退院後支援の援助関係者となる場合に本人の同意を要求しています。そもそも、警察関係者が入る場合を想定しているガイドライン自体に問題があると思います。とはいえ、すでに3自治体で警察関係者が入ってしまっているため、そうした実情を無視してガイドラインを定めることが困難だったのだと思います。ガイドライン自体は拘束力がありませんから、あとは都道府県の判断となります。
他方で、退院後支援ガイドラインには、警察関係者をこれ以上入れないために使える余地があると思います。例えば、現時点ですでに援助関係者として警察関係者が入っている退院後支援から「同意」を使って警察関係者を引き摺り下ろしていく運動を各地で展開することが可能です。ここでは、ガイドラインの賛否とは別のレベルで、実際の警察関係者の関与自体をなくしていく運動を作ることが目指されることになります。もちろん、退院後支援ガイドラインを使わないで警察関係者を引き摺り下ろす術があるのなら、それを使ってもよいと思います。いずれにせよ、警察関係者を引き摺り下ろすための個別具体的な運動を展開していく必要があります。実体として警察関係者の関与がゼロ件にまで減れば、警察関係者のくだりをガイドラインの中に残す必要性がなくなるため、ガイドラインの中から警察関係者のくだりを削ることも可能になります。

 今後は、各地での取り組みが肝心になります。多くの方々と連帯して現状を変えていきたいと思っているので、よろしくお願いします。

優生保護法集会――連帯アピール

 「優生保護法に私たちはどう向き合うのか?―謝罪・補償・調査検証を!」の開催にあたって全国「精神病」者集団から連帯のアピールをさせていただきます。
 旧優生保護法下の強制不妊手術は、「不良な子孫の発生防止=障害者は生まれない方がよい」という差別的な考え方に基づき障害者から生殖機能を奪い去る忌まわしいものでした。
 この制度に基づき多くの障害者が不妊手術を施され、犠牲になっていきました。その中には、当然ながら私たち精神障害者が含まれています。
 さて、強制不妊手術を規定した旧優生保護法の 所轄庁は、公衆衛生局精神衛生課でした。精神衛生課は、私たち精神障害者の強制入院を規定した精神衛生法(現在の精神保健福祉法)の所轄庁でもあります。1930年代、旧内務省は富国強兵策を背後としつつ民族優生の目的を達するためには、精神病者や精神薄弱者等を対象とした(1)隔離(精神病院等の拡充)、(2)結婚制限、(3)人工妊娠中 絶、(4)断種 (不妊手術)の4つの社会政策が必要であるとしていました。このうち、断種を合法化するための法案は、1930年代に計5回にわたって上程されましたが、いずれも成立しませんでした。
 他方で、この時期は精神科医師の間で断種をめぐって議論が交わされ、議会にも波及していきました。内務省は、日本精神病院協会(現在の精神衛生会)に対して「断種法制定の可否」に係る意見を求め、同協会は、1939年に断種に対して慎重な姿勢をとりつつも基本的に賛成の立場をとる「断種法制定に関する決議」を提出しました。こうした経過をたどり、1940年に国民優生法が成立しました。
 そして戦後、日本社会党の代議士らが中心となって超党派の議員立法で大幅な改正作業がおこなわれ、1948年には、今日、裁判で問題 になっている旧優生保護法が成立しました。1953年には、精神衛生会と日本精神病院協会(現在の日本精神科病院協会)が「精神障害者の遺伝防止のため」として不妊手術促進の費用に財政措置を求める陳情書を提出しました。それくらいの時期から財政的な裏付けを得たためか、次第に強制不妊手術の件数が増えていきました。このように精神保健には、優生保護法を下支えしてきた歴史的な事実があります。
 さて、1990年代になってからは、青森県や秋田県など強制不妊は限られた自治体でしかおこなわれなくなりました。そのため、青森県、秋田県などには、被害者でご存命の方がいると思います。もしかしたら、今もなお青森県や秋田県の精神科病院には、強制不妊手術の被害者が長期入院を強いられている かもしれません。ところで、被害者が長期入院している場合には、当時のカルテが残っているかもしれません。こうした記録は賠償の根拠にもなるので保全が不可欠です。
 皆さん! 忌まわしい優生保護法の歴史に対して、謝罪と賠償を勝ち取るため共に闘いましょう!

優生保護法に私たちはどう向き合うのか?―謝罪・補償・調査検証を!

日時:2018年7月28日(土)13時30分~16時30分
会場: 東京大学駒場キャンパス「18号館ホール」

京王井の頭線駒場東大前駅から徒歩
https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html
〒153-0041 東京都 目黒区駒場3丁目8-1

手話通訳・文字通訳あり
参加費 500円

共催団体: 優生手術に対する謝罪を求める会/全国優生保護法被害弁護団/障害学会/
DPI女性障害者ネットワーク/優生手術被害者とともに歩むみやぎの会/ CILたす
けっと/DPI日本会議/SOSHIREN女(わたし)のからだから/  
協力団体:一般財団法人全日本ろうあ連盟

https://www.facebook.com/events/215599995728244/

私たちは、「優生保護法」にもとづく強制的な不妊手術の被害について、国は調査を行い、被害者に謝罪と補償を行うよう長年求めてきました。この問題は、生まれる子どもの数と質を国の都合でコントロールしようとして起きました。障害をもつ人だけでなく、女性の生殖に対する支配の問題でもあること、すべての人にかかわることを、知ってほしいと考えてきました。
今年になって、同意なく不妊手術を受けさせられた、あるいは中絶を強要された被害者が次々に国に損害賠償請求の訴えを起こし、6月28日現在、7人の方が各地で弁護団とともに頑張っています。
「優生保護法」の規定にも違反するかたちで、障害をもつ人の生殖を奪う行為があったことも分かってきました。
一方、3月に超党派の国会議員連盟と与党のプロジェクトチームが発足し、厚労省は都道府県市町村に優生手術に関する記録や資料の保全と調査を、また、医療機関や施設のカルテなど記録の保全を要請しました。
5月24日には超党派の国会議員連盟の中に「法案作成プロジェクトチーム」ができ、来年の通常国会に上程をめざすとのこと。被害者への補償に向けた動きが始まっています。
しかし、ここから先がさらに大切です。調査、検証、謝罪、補償が、おざなりで終わることがないよう、働きかけを強めていかなくてはなりません。
各地で行動する皆さんとともにこの間の動きと情報を共有し、被害者の補償に向けた法律案に何が盛り込まれるべきか、考える機会をもちたいと思います。そして、優生保護法が残した問題の大きさを、広く伝えていきたいと思います。

◆発言予定の団体/個人 共催団体ふくめて多数を予定し、またさらに、お声をかけています
飯塚淳子さん(仮名)、佐藤路子さん(仮名)、北三郎さん(仮名) 片方司さん

全国優生保護法被害弁護団/日本障害者協議会(JD)/NPO法人文福/全国フェミニスト議員連盟/CILたすけっと/DPI女性障害者ネットワーク/DPI日本会議/SOSHIREN女(わたし)のからだから/優生手術被害者とともに歩むみやぎの会/ピープルファースト東久留米/優生手術に対する謝罪を求める会

◆お問い合わせ◆ 
優生手術に対する謝罪を求める会
電話/FAX 06-6646-3883 ここ・からサロン 気付
(電話は木曜と日曜を除く10時~16時に受けます)

【声明】成年被後見人等権利制限適正化法案の今国会審議入りを阻止しました

 本日7月22日、196回通常国会が閉会しました。今国会では、精神障害の当事者団体の運動によって成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律(案)が審議入り見送りとなりました。
 本法案が国会に上程される前の段階では、内閣から参議院先議の希望が出されており、ほとんど質問時間を使わずに与野党ともに賛成して成立するような位置づけとなっていました。また、多くの障害者団体が本法案を欠格条項廃止に向けた運動の前進と捉えるきらいがあり、一部には賛成して審議加速をしようとする向きさえありました。
 そのような中で全国「精神病」者集団は、閣議決定前から関係者等を説得してまわり、閣議決定の当日には反対声明を公表して立法府に慎重審議を求めてきました。また、成年後見制度を見直す会と共催して院内集会を企画・開催し、注目を集めました。こうした動きによって衆議院内閣委員会理事会では、参議院先議への疑問が示され、とうとう衆議院先議へとなりました。
 今国会に提出された内閣関連法案は、そもそも法案の数が非常に多く、さらにその中にはTPP法案やカジノ法案といった対決法案が複数あったため、本法案が衆議院先議となったことで審議日程の目処が立たなくなりました。
 かくして、我々は成年後見制度をめぐる一人一人の実態を明らかにすることで、慎重審議の方向付けを獲得し、ついに今国会で審議入りさせなかったわけであり、これは非常に大きな成果となりました。今後は、こうして作った貴重な審議入りまでの時間を有効に活用し、障害者権利委員会による総括所見の反映のための検討、障害当事者参画の実現、現実に起こっている問題の解決の3点を重点に行政府、立法府への働きかけに取り組んでいきたいと思います。
   2018年7月22日

【声明】精神保健福祉法改正法案の今国会での上程阻止を果たしました

 本日7月22日、第196回通常国会が閉会しました。3月9日、野党欠席のなか委員長の職権により厚生労働委員会が開催され、不正常になる傍ら、政府は法案上程の事実上の締切日である3月13日までに精神保健福祉法改正法案の閣議決定をおこなわず、今国会への提出を事実上断念しました。
 これによって第196回通常国会会期中の精神保健福祉法改正法案の上程は、完全に阻止されました。私たちは、第193回、第194回、第195回の全3回の会期において衆議院審議入り断念、廃案に追い込み、そして、今回の法案提出断念と国会行動において繰り返し勝利してきました。
精神保健福祉法は、私たち精神障害者を苦しめる多くの原因を含んだ法律です。その精神保健福祉法が、今だかつて、ここまでの打撃を受けたことはなかったと思います。
 このような流れの中で政府・厚生労働省は、いよいよ精神保健福祉法改正案を前回と同じ内容で出し直すことが困難になってきました。しかし、出し直される法案の中身は、いまだ不明とされています。そのため、次の国会で再び多くの課題を積み残した状態のまま精神保健福祉法改正法案が上程されても全くおかしくはありません。
 そのようなことが起これば精神障害者に対する監視強化につながることになるため、私たちとしては断じて認められません。
決して諦めずに最後の最後までともに闘い抜きましょう。
  2018年7月22日

TCI-Asia運営委員会報告(2018年7月10日)

新しい会員
マルタ:マルタの支援者と当事者の組織から人を呼べると思う。精神科医が主な組織だけど、2人の精神障害の女性たちがくるかもしれない。
ベトナム:身体障害者の女性と連絡がとれるかもしれない。
カンボジア:サービスの必要性があることはわかっている。また、国際的に活動している人もいるが、精神障害者の人達たちの活動はわからない。
バリ総会はINTARの半分くらいの人数が来る、大きな会議になりそう。21-22か国から来そう。

バリ総会
◇参加者
リズナ:CRPD委員
マオラニ:アジア障害フォーラム(インドネシア)
カトリーナ:障害の特別報告者
?:APCD
などが参加してくれる予定である。
このようないろいろな利害関係者との半日の会議を開催する。

◇予定
ほとんどの人は26日の午後くる。
26日の午後:CRPDとTCI Asiaについて新しく来た人に概略的な紹介をする。
新しくTCI Asiaに入る多くの人は精神科医の紹介で来ているので、どれくらいの人がCRPDについて知っているかわからない。

27日:
それぞれの国でどのような制度があって、どのようなことをしているのかを紹介する。
さまざまな状況の国があるので、2つのグループに分けてもよいかも。

TCI Asiaのアドボケイトについてのセッション:
1.WHO quality rights評価について。
2.国連が多くの政府関係者を集めてGlobal mental health summitをしようとしている。障害のサミットはこれまでもあったが、精神保健はこれまではなかった。TCI Asiaはここに意見を出す予定である。

◇楽器のセッション
たいこのセッションもする予定。
バリには楽器を作っているところがあり、地元の楽器も使う予定。
でも、みんなに一人一つ楽器を持ってきてくれるようにお願いしたい。
日本から11月に使った小さい楽器を20こくらいの楽器をもってきてほしい。
場所は、もしかしたらビーチでできるかも。
バーガビさん:雨が降っていそうなので、どこで太鼓をしようか?
イェニさん:たぶん乾季だからだいじょうぶそう。30度くらい。近くにプールもある。
地元のダンスも安ければいっしょにやりたい。モンキーダンスという。
予算を調べてから検討する。

◇ほか
他の組織のステークホルダーたちは、29日に来てもらって、ディナーもすればよい。
インドネシアから何人が来るのか?全員分は宿泊費が払えない。

◇今後
何をするのかのリストを作成して、そこにみんなが名前を書いていく。
太平洋地域の人の参加のためにCBMもお金を出してくれるかもしれない。
ヨーロッパやアメリカとは共有できることがすくないけど、アフリカや南米とは多い。南半球のネットワークをつくりたい。

各国の制度の調査について
情報収集の書式はほぼできているので、もうすぐお送りできる。
オーヤンさんは8月28日にくる。裁判があるので。

Mad in Asia
Mad In Asiaは来週15日には最初の記事があがる。
そして、バリの会議で正式に開始するのを祝う。
これからジルミルがいろんな国にインタビューする。
ライナスが中国語に翻訳している。他の言語もあれば歓迎する。
運営委員に翻訳にかかわれる人がいるかきいてみる。
あと、記事を書いてくれる人も募集する。

TCI-Asia運営委員会報告(2018年6月20日)

TCI Asiaのウェブサイト
もうすぐできそう。Mad in Asiaは進んでおり、月末までにできると思う。
多くの新しい会員がTCI Asiaに参加している。バプトラストのKavita Nairの支援を得て会員登録の新たな確認をした方がよい。

TCI Asiaの団体登録
*タイでTCI Asiaを団体登録するために法律家(Hughes Krupica)たちとともに書類が完成しつつある。TCI Asiaの予算から事前の支払いをしている。必要な情報を得るために理事会員の案が必要である。
*TCI Asiaとして登録するかTCI Asia Pacificとして登録するか決めていないので、書類は総会の後に提出する。もう一つの途中になっていることは、借りている場所ではない形でタイの住所が登録のために必要である。キムさんが適切な住所を見つける役割を担う。キムさんはバンコクに住所をもつことを提案している。
*理事の案:Dr. Mountian, Kim, Yeni, Bhargavi, Ohyong。TCI Asiaのタイのメンバーと外国のメンバーが同数の方がよいので、タイからもっとメンバーが必要である。3人目の理事のメンバーは大使のような有名な人がよい。提案されている名前はSawalak, Bosであり、キムはさらに名前を挙げる予定だ。

バリ島の総会
*新しいメンバー――シンガポール、マレーシア、フィジー――が総会に来る予定である。
*もっと他の国についての推薦が必要である――Mayanmar, kingdom of Brunai, Vietnam, Cambodia, Laos, Maldeives, Bhutan, Afghanistan。
*USPケニアのMichael Njengaもオブザーバーとして総会に参加するかもしれない。
*障害種別をこえた運動体や資金提供者などTCI Asiaを支援している人たちとの半日間の会議が提案された。招待したらよいと思う人についての運営委員会からの提案が求められている。今提案されているのは、DIFD, CBM A, CBM International (Julian), IDA, CBR Global network。

2018年締約国会議
*TCI Asiaからは40人近くの参加者があった。よい反応があり、サイドイベントに動員もできた。サイドイベントの参加者は2人の障害者権利委員、IDAの会員、WNUSPの会員、OHCHRの会員。
*初めてのサイドイベントであった点、強力なパートナー――DRF, OHCHR, IDA, Human Rights Watch――を得られた点で大きな成果があったといえる。
*イェニがいくつかのサイドイベントに呼ばれて、大きな成果を収めた。

TCI-Asia運営委員会報告(2018年4月6日)

議論の主な論点
•Update on Oct, meeting in S Korea 韓国での10月の会議について
•Plenary meeting, Bali バリ島での総会
•COSP Participation 締約国会議の参加
•TCI Asia Fellowships TCI Asia のフェローシップ

韓国での10月に提案されている会議について
•オーヤンの国内人権委員への資金提供の申請は拒否された。しかし、オーヤンはほかの障害種別をこえた組織とともに、韓国障害基金に申請をしている。
•TCI Asiaの会議の計画とIDAの理事会議についての情報を求めている。
•TCI Asiaのソウルでの会議の目的
oアジア太平洋領域での自分たちの活動についてのIDAの理事との対話
o韓国におけるKAMIなどの精神障害者組織を支援する
•IDAの理事(3-4名)、APCDのメンバー、そのほかの影響力のある人、DPI韓国会議、障害種別をこえた障害者組織との会議が提案されている。
•提案された意見は、国際的なDPOのリーダー、政府関係者が私たちの企画に来て、私たちの目標を達成するための戦略について議論する小さな会議をもつというものである。

バリ島での総会
•参加者――総会に招待される人は会員として登録されていなくてはならない。事務局は、台湾についてはTAMIとLGBTQそれぞれのメンバーと連絡をとっている。ネパールについてはKoshisと精神障害女性団体、香港はヴィンセント、スーザン、ソフィー、バングラデシュは2人の会員がいるが活発ではない。
•自費で来る分には、多くのメンバーがバリ島総会に参加することを歓迎する。
•Malaysia, Singapore, Laos, Cambodia, Vietnam, Bhutan and Myanmarからの新しいメンバーが必要である。ワーカーは、障害開発センターと連絡をとってみると提案してくれた。
•飛行機を予約するためにパスポートを送るように頼まれている参加者がまだいる。
•総会のテーマは「気運の再構成」、つまりインクルージョンに向けてパラダイムを転換していくことについてである。
•それぞれの国の情報を集めるために短い調査をおこなう必要がある。1.それぞれの国での障害法制および後見法制の概略。2.それぞれの国の精神障害領域の国家予算。
•オーヤンは、調査をおこなうのに協力すると言った。ワーカーは、質問書をつくるためのお手伝いをすると言った。質問書の案は、最終版ができる前に運営委員から意見を集めるために4月25日までに送るように求められている。
•バーガビは、Yeni, Meenakshi and Bhargaviの議論に基づいてアレックスが作った会議の計画について話をした。1日目:国連の発展についてのこれまでの情報共有とTCI Asiaとの関係でなされた活動について。2日目:テーマをもった学習会。3日目:来年の国連機関とのやりとりのための準備の分科会。これが総会について議論があったときの計画案である。委員はコメントなどを送ってくれるように求められている。
•バリ島のAyodyaリゾートは、総会の会場として選ばれた。

締約国会議の参加
•TCI Asiaはイェニの名前を提案している。
•バーガビは次のことをおこなうことを提案する。
oHRW, DRF, IDA, CBM Aと協力して、TCI Asiaのサイドイベントの開催を提案する。
oアジアのためのヨーロッパとは異なる権利擁護についてのTCI Asiaのサイドイベント概略づくり。
•今年のTCI Asiaのフェローシップは、ガイドラインに決められた彼らの申請に基づいてキムとイェニに与えられることが合意された。
oキムは、国レベルの独立したピアサポートを発展させ、国内の権利擁護に活発に参加する。
oイェニは、自分の組織での2番目のリーダーシップを発展させ、国内及び地域のレベルでの活動を進める。
バプトラストは3番目4番目のリーダーシップを持っており、共有できる。興味のある人がいれば、可能になる方法[たぶんバプトラストの人が活動を手伝ってくれるということ]があると思われる。

そのほかの議題
•新しい道具として技術的な支援を提供するために他国に行ける技術者がいれば、グループを作る。
•マッドインアジアのウェブページは、障害種別をこえた運動との活動におけるインドネシアの成功例についての情報を集めて共有する。