国際人権基準からみる日本のコロナ対策

日 時: 2020年12月5日(土)13:30集会スタート
会 場: 青山学院大学 17号館6階 本多記念国際会議場 
https://www.aoyama.ac.jp/outline/campus/access.html

【プログラム】
1 主催者挨拶
2 「国際基準とは何か」
   ファシリテーター 寺中誠さん(東京経済大学教員)
3 リレートーク(各トークの後に寺中さんからのコメントがあります)
① 感染症対策と人権
   宮子あずささん(看護師・東京新聞「本音のコラム」月曜日担当)
② コロナと障害者差別ー国連障害者権利条約の基準から見ると
   崔栄繁さん (DPI 日本会議 事務局 )
③ 感染症対策・一斉休校で見えた学校の人権問題
   武捨健一郎さん(東京教組 書記長)
④ 「命の差別」に抗してー朝鮮学校差別に反対するー
   朴金優綺さん(在日本朝鮮人人権協会)
⑤ 新型コロナ時代の格差拡大
   赤石千衣子さん(しんぐるまざーずふぉーらむ理事長)

参加費: 500円(当日受付にてお支払いください)

JDF全国フォーラム:障害者権利条約 日本の審査でこう変わる 私たちの暮らし-「総括所見」と今後の実施戦略

日 時: 2020年12月7日(月)13:00~16:30
場 所: オンライン開催(Zoomウェビナー)
     https://www.bellesalle.co.jp/shisetsu/tokyo/bs_nihonbashi/access/
参加費: 無料 (点字資料データ、テキストデータ、手話通訳、要約筆記あり)
主催 日本障害フォーラム(JDF)
● キリン福祉財団、住友財団、SOMPO福祉財団、ヤマト福祉財団 助成事業 ●

2020年に開催予定であった、国連・障害者権利条約の日本の初審査が、新型コロナウイルスの影響で延期となっています。条約の審査と勧告(総括所見)を通じて、国内の政策や、私たちの暮らしをどう変えていけるのか。この時期に、新型コロナウイルスと障害者にかかわる課題にも焦点を当てながら、話し合います。初めてのオンライン開催となりますが、皆様の幅広いご参加をお待ちしています。

プログラム(順不同・一部依頼中)
13:00 主催者挨拶、来賓挨拶・祝辞等
13:15 基調報告:日本障害フォーラム(JDF)より
13:45 シンポジウム:障害者権利条約 日本の審査でこう変えよう! 私たちの暮らし
    ■第一部 障害者権利条約の初審査を今後の施策にどう活かすか
    パネリスト:(順不同)
     石川 准  障害者権利委員会副委員長/障害者政策委員会委員長
     日本弁護士連合会 より
     ほか
    コーディネータ:佐藤 聡 DPI日本会議事務局長
14:45 休憩
15:00 イエローリボンとJDFの活動 ご支援のお願い
    JDF企画委員会 より
15:10 シンポジウム
    ■第二部 新型コロナウイルスと障害者 権利条約を活かした新しい暮らしに向けて
    パネリスト:(順不同)
     伊東 亜紀子 国連経済社会局 障害者権利条約事務局チーフ
     星川 安之  共用品推進機構 専務理事
     ほか
    指定発言・質疑
    コーディネータ:増田 一世 日本障害者協議会 常務理事
16:20 総括・閉会挨拶 JDFより
16:30 閉会
*プログラムは予告なく変更することがあります。

申込方法
*こちらのWEBフォームからお申込みができます。<WEBフォーム

障害者差別解消法の見直し検討における障害者団体ヒアリング

 障害者差別解消法の見直しにあたっては、障害者の権利に関する条約の趣旨を鑑みたものとなるように、次の点に留意されますよう意見を申し上げます。

1.差別の定義
 障害に基づく差別の類型は、直接差別、間接差別、関連差別、合理的配慮の不提供の4類型としてください。
 また、類型ごとに障害に基づく差別の定義を明記してください。

2.挙証責任
 この法律においては、障害に基づく差別を受けた側がその事実を挙証するのではなく、相手方に対して「差別していない」ことを挙証させるものとしてください。また、障害に基づく差別を受けた側は、差別していないという主張に対して反証のための機会を与えられるものとしてください。

3.各則の新設
 分野ごとに具体的な障害に基づく差別の禁止を定めた各則を法文の中に規定してください。

4.民間事業者による合理的配慮の義務化
 民間事業者の合理的配慮の提供は努力義務ではなく義務としてください。
 また、事業者に対して具体的にどのような合理的配慮を提供すれば良いのかについて相談できる窓口を設置してください。
 合理的配慮の提供に関する事業者への普及啓発をおこなってください。

5.裁判外紛争解決機能
 行政から独立した裁判外紛争解決の仕組みをつくり、調整・調停を行う権限を持たせるなどして法律の実効性を担保してください。
 その構成メンバーは、障害当事者団体、法律家、社会福祉専門家等と明文によって規定してください。
 パリ原則に基づく国内監視機関を設置してください。また、国内監視機関として障害に基づく差別への対応を可能とするために、当該裁判外紛争解決機能と連動した体制を構築してください。
 
6.相談体制
 相談体制については、障害者が地域の身近なところで安心して相談できる障害当事者が構成メンバーに加わったものにしてください。
 裁判外紛争解決が並行線となり打ちきるほかなくなった場合には、司法救済につなぐための相談をするようにしてください。

7.裁判規範性
 障害に基づく差別をめぐって被った側と相手方の主張が並行線になった場合や合理的配慮の提供を約束したのにもかかわらず実際に開始しない場合などには、司法救済ができるように裁判規範性がある規定を設けてください。

8.立法府と司法府への適用
 障害者差別解消法の対象に行政機関や民間事業だけではなく、立法府や司法府についても対象にしてください。

9.精神障害当事者の参画を推進すること
 政策委員会の構成員には、精神障害をもつ有識者やピアサポーターの職能研修機関に所属する精神障害者はいるものの、病棟患者自治会や地域患者会、自立生活センターの当事者スタッフなど幅広い精神障害当事者によって構成された団体に所属する精神障害当事者がいません。全国「精神病」者集団をはじめとする精神障害当事者の団体に所属する精神障害当事者を構成員にして同法について精神障害当事者の観点から監視できるようにください。
 省庁、地方公共団体が定める対応要領や事例集の作成過程には、精神障害当事者の参画がないままに進められたものが少なくありません。そのため、精神障害者への配慮例として書かれている内容には「ゆっくり話すようにする」「穏やかな口調で話をする」など精神障害者のニーズとして蓋然性のないものが散見されます。これらについては、精神障害当事者の参画を得た上で再検討と修正をおこなってください。
 各地方公共団体における障害者差別解消支援地域協議会には、精神障害当事者の構成員が入っていないところが非常に多いです。積極的に精神障害当事者の構成員が起用されるように当事者参画を法文に書き込むなどして後押ししてください。

10.見直しに向けた検討の継続
今回の見直しでは、先送りにせざるを得なかった内容であっても、附則に見直し規定を設けるとともに検討すべき内容を明記するなどして継続的な検討をおこなってください。
障害者の権利に関する条約第三十九条による障害者の権利に関する委員会からの提案及び一般的な性格 を有する勧告が行われたときには、障害者を代表する団体の参画の下で、当該提案及び勧告に基づく現状 の問題点の把握を行い、法律の見直しを始めとする必要な措置を講じてください。

◆障害者差別解消法の見直しの検討に係る障害者団体ヒアリング(10月28日)
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai/group_hearing/c-1028-2/index.html

◆障害者差別解消法の見直しの検討に係る障害者団体ヒアリング(10月28日)議事録
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai/group_hearing/c-1028-2/gijiroku.html

基準病床算定式の見直しに関する要望書

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
精神障害保健課長 佐々木 孝治 様

 日ごろより精神障害者の地域生活、施策にご尽力くださり心より敬意を表しております。
 さて、現在、基準病床算定式の見直しに向けた準備が進められています。これまで基準病床算定式については、病床数の整備にかかわる政策という特性上、もっぱら精神科病院の意見をもとに考えられてきました。しかし、全国で約30万床もの精神病床のある社会をどう考えるのかは、精神科病院だけではなく国民的議論によるべきです。とくに実際に入院するのが精神障害者だけであることを鑑みれば、私たち精神障害者の意見をきちんと聞いて基準病床算定式に反映していただきたいと思っています。
つきましては、下記について要望を申し上げます。

①現行の算定式では、1年以上在院者を長期入院と定義している。しかし、実際に入院させられる私たち精神障害者にとっては、2ヶ月であっても非常に長期間であると感じている。そのため、算定式における長期入院の定義は、現行の1年以上在院から半年以上在院へと改めること。

②長期入院需要については、10年以上在院者も含まれることになるが、これを一般的に需要と言う言葉で表現すべきとは考えない。少なくとも2年以上長期在院者数に相当する病床数は、即座に削減するべき病床か、若しくは、不要にもかかわらず諸事情で即削減できない病床として位置付けられるような算定式にすること。

③現行の算定式には、重度かつ慢性なる概念が登場する。重度かつ慢性は、長期入院需要のうち当面必要な病床数の根拠となる概念である。重度かつ慢性は、基準が不明瞭であり、長期入院の約7割という量の多さなど多岐にわたる問題がある。そのため、重度かつ慢性を用いない算定式にすること。

④現行の算定式には治療影響値がある。これは、修正型電気痙攣療法や治療抵抗性抗精神病薬の普及によって長期入院需要が削減され、結果として病床削減に至るというものである。しかし、修正型電気痙攣療法や治療抵抗性抗精神病薬は、侵襲性が高く、普及されることへの抵抗が否めない。少なくとも、治療影響値は修正型電気痙攣療法や治療抵抗性抗精神病薬の普及によらない算定式にすること。

⑤障害福祉計画の国の指針には早期退院率1年以内92%が書き込まれた。これでは、新規入院者の約15人に1人が新たに1年以上長期入院になっていくことを意味する。長期入院は、原則としては不要である。そのため、新たな長期入院者が作り出されないような計画にすること。
以 上 

〒164-0011
東京都中野区中央2―39―3
Tel 080-6004-6848(担当:桐原)
E-mail jngmdp1974@gmail.com

筋ジストロフィー患者の在宅療養への移行に関する実態調査への当事者参画に関する追加意見書

衆議院議員 早稲田夕季 様
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長 殿
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 栗原拓也 様

 日ごろより障害者の地域生活、施策にご尽力くださり心より敬意を表しております。
 当会は「衆議院議員早稲田夕季君提出筋ジストロフィー患者の在宅療養への移行に関する質問に対する答弁書」の「調査が必要となった場合には、御指摘の決定過程から障害者を代表する団体を参画させていく等の詳細について検討することとしたい」の部分について、2020年8月24日付けで、早稲田夕季衆議院議員と厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室長宛の要望書を提出しました。
 前述の要望書の趣旨に則って下記の通り追加意見を出します。つきましては、ご検討くださいますようよろしくお願い申し上げます。

1.趣旨
一般社団法人日本筋ジストロフィー協会に所属する障害当事者の参画に加えて、我が国の筋ジストロフィー患者の在宅移行を実質的にリードしてきた特定非営利活動法人DPI日本会議の障害当事者を参画させること。

2.理由
 有識者複数名に対する障害当事者1名はパワーバランスを欠いていると言わざるを得ないため。また、現在の筋ジストロフィー病棟(療養介護)は、過去の日本筋ジストロフィー協会の要望をもとに設置された経緯があるため、同協会のみの障害当事者参画ではバランスを欠いていると言わざるを得ないため。
 以 上  

退院後支援の補助金事業に関する要望書

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
精神障害保健課長 佐々木 孝治 様

 日ごろより精神障害者の地域生活、施策にご尽力くださり心より敬意を表しております。
 さて、第193回通常国会で審議入りした精神保健福祉法改正法案には、措置入院の運用や退院後支援をめぐって当事者不在の政策決定過程など多くの問題が指摘されました。そして、全国「精神病」者集団が中心となって反対の意見が相次ぎ、ついに廃案になりました。廃案の後、国会審議を踏まえつつ「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームの報告書」の再発防止策の提言に基づいて「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」が作成されました。
 ところが、全国「精神病」者集団との事前の意見交換がないまま、2020年度から「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築推進事業」の補助金メニューに新たに退院後支援が入りました。退院後支援については、以前として問題が残されています。
 退院後支援については、「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」に基づいて運用されることになるのだと思います。このたび、相模原市の障害者施設殺傷事件の再発防止を契機として成立した退院後支援は、補助金の対象になりました。このことで精神医療と犯罪防止が結びつけられ偏見が助長されるのではないかと深刻に憂慮します。
 また、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築支援事業『精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築のための手引き(2019 年度版)』には、退院後支援のモデル事例として鳥取県の取り組みが紹介されています。「鳥取県措置入院解除後の支援体制に係るマニュアル」は、精神保健福祉法改正法案が審議入りする前の 2017年3月に公布されたものです。当該マニュアルは、法案審議の過程で受けた指摘を反映した「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」と異なり、「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームの報告書」に示された当初の措置入院者退院後支援を想定したものとなっています。事例としては、不適切です。このような不適切な事例を用いた委託事業の報告書を踏まえて補助金事業が各地で運用されていくことは極めて問題であると言わざるを得ません。
 そして、2020年3月に設置された「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」の構成員には、全国「精神病」者集団のような地域患者会、病棟患者自治会、自立生活センタースタッフなど幅広い層をシェアしている精神障害者全国組織の代表者が入っておらず、当事者参画が不十分と言わざるを得ません。これでは、法改正のときの反省が生かされているとは言えません。
 これら一連の流れを踏まえ、2021年度からは「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築推進事業」の補助金対象から退院後支援を削除してくださいますようお願い申し上げます。

筋ジストロフィー患者の在宅療養への移行に関する実態調査への当事者参画に関する要望書

衆議院議員 早稲田夕季 様
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室長 殿

 日ごろより障害者の地域生活、施策にご尽力くださり心より敬意を表しております。
 さて、「衆議院議員早稲田夕季君提出筋ジストロフィー患者の在宅療養への移行に関する質問に対する答弁書」には、「調査が必要となった場合には、御指摘の決定過程から障害者を代表する団体を参画させていく等の詳細について検討することとしたい」とあります。
 当該答弁書は、全国「精神病」者集団の会員からの相談を契機とした質問主意書に対応したものです。どのようなかたちで当事者参画が保障されるのか現時点ではわかりませんが、仮に研究協力者に当事者を入れる若しくは団体からヒアリングをするようなかたちを想定しているのであれば、全国「精神病」者集団を必ず入れてくださいますようお願い申し上げます。
 以 上  

2021年度予算に関する要望書

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
障害福祉課長 竹内 尚也 様
精神障害・保健課長 佐々木 孝治 様

 平素より、精神障害者の地域生活の推進にご尽力くださり心より敬意を表しております。私たち全国「精神病」者集団は、1974年に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
精神障害者の生活に係る法制度が障害者の権利に関する条約の趣旨を鑑みたものとなるように、2021年度予算について下記のとおりご要望を申し上げます。

(1)基準病床の見直しにあたって死亡退院に係る調査をおこなうこと
過去5年間の精神科病院における死亡退院の実態調査をおこなってください。また、調査結果は、基準病床の算定に活用できるようにしてください。

(2)ピアサポーター研修については多様なピアサポーターの参画を前提にすること
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業においてピアサポーター研修の実施がメニューに盛り込まれました。当該補助金は、事業所に精神障害者を雇うピアスタッフだけに限らず、自立生活センタースタッフやピアサポート団体などの幅広いピアサポート活動を想定した研修として使えるようにしてください。

(3)退院後支援に係る補助金の予算を請求しないこと
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業において退院後支援がメニューに盛り込まれました。退院後支援は、「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームの報告書」の再発防止策の提言を契機としており、補助金の対象とされることで精神医療と犯罪防止が結びつけられ偏見が助長されていくことになるのではないかと深刻に憂慮します。退院後支援に係る補助金の予算は請求しないでください。

(4)通院等介助の自宅発着要件をめぐる実態調査を実施すること
 通院等介助の自宅発着要件をめぐる実態調査(とくに職場から通院先を経由して自宅に移動する場合のニーズ)を実施してください。
以 上  

〒164-0011
東京都中野区中央2―39―3
Tel 080-6004-6848(担当:桐原)
E-mail jngmdp1974@gmail.com

京都ALS嘱託殺人事件の報道のあり方に関する緊急声明

 私たち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 私たちは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した京都市の女性から頼まれ薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人の疑いで医師2名が逮捕された事件をめぐる報道について2020年7月27日付けで報道機関各位宛ての意見書を出しました。しかし、未だに障害者への配慮を欠く報道が散見されます。
 第一に本事件は、嘱託殺人事件であって安楽死ではありません。刑法に嘱託殺人罪という罪刑が存在するのは、同意があれば人を殺してよいことになどならないからです。この事件を安楽死と表現するあらゆる記事に抗議します。
 第二に父親が介護をしていなかったなどとする報道がありますが、自立生活運動は障害者が家族に頼ることなく、ヘルパーを使って施設ではなく地域で暮らす運動です。林さんは、ヘルパーを利用しながら7年も自立生活してきた人です。家族が障害者の世話をすることを前提とした報道は、障害者運動の思想を知らない中立性を欠いた差別的報道であり抗議します。
 以上、改めて報道関連機関には障害者に配慮のある報道をすることを求めます。

京都における障害者の嘱託殺人事件の報道について

報道各位

わたしたち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成された精神障害者個人及び団体の全国組織です。
2020年7月23日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した京都市の女性から頼まれ薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人の疑いで医師2名が逮捕されました。この事件で、まず報道すべきことは、容疑者の人物評価・差別意識であるはずです。しかし、中には被害者が同意していた事実にフォーカスを当てて安楽死・尊厳死法制化の議論を扇動するよものが散見されます。本事件は、あくまで嘱託殺人であって安楽死ではありません。非難されるべき行為を法律をつくって追認させようとする論調は間違っています。
障害を理由とした安楽死・尊厳死は、津久井やまゆり園事件の犯人の優生思想に通じるものです。わたしたち障害者団体は、尊厳のある死ではなく、誰もが尊厳をもって生きられる社会を求めます。本事件をめぐる報道では、短絡的に安楽死・尊厳死に結びつけるのではなく、わたしたち障害者に配慮したものにしてください。