緊急事態宣言に関する緊急声明

 私たち全国「精神病」者集団は、1974年5月に結成した精神障害者個人及び団体で構される全国組織です。
 政府は、新型コロナウィルス感染拡大の予防策として新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正による緊急事態宣言の発令を検討しています。
 緊急事態宣言は、都道府県知事が「外出自粛」「施設の使用制限」「物資の売渡し」などの要請ができることになっており、著しい私権制限を伴うものになっています。
 わたしたち精神障害者の中には、国策の誤りによって長期入院となった者がおり、地域患者会が公民館等を使って開催する定例会に顔を出すことでなんとか孤立せずに再発することなく地域生活できている者がいます。緊急事態宣言の発令は、このような精神障害者の私生活を脅かし、不可能な状態においやることにならないかと深刻に憂慮します。
 2020年3月6日の衆議院内閣委員会で菅義偉官房長官は、新型コロナウイルスによる肺炎拡大に関し、現時点で緊急事態宣言を出す状況にはないと認識していると答弁しました。現時点でとくに緊急事態宣言を出す状況にはないのであれば、著しい私権制限を伴う緊急事態宣言の検討を見送るべきと考えます。