障害福祉計画に重度かつ慢性は必要ありません――私たちは京都市第五期計画を称賛します

 厚生労働省は、精神科病院に一年以上入院している長期在院者のうち認知症を除く約7割が「重度かつ慢性」であり、長期入院の需要があるとして基準病床値を算出する国の基本指針を示しました。
障害者基本法における障害は、機能障害を有する者とこれらの者に対する態度及び環境による障壁との間の相互作用と認められるようになりました。しかし、「重度かつ慢性」の基準は、精神科病院に長期在院している人の置かれている不条理を当該精神障害者の機能障害に原因を帰責しようとするものであり、ひいては長期在院者を作り出してしまった国策の誤りを容認することにもつながります。しかも、これら1年以上長期在院者は、クロザピンと修正型電気ショックを計画的に普及させることで少しずつ解消されてゆくものとされています。クロザピンや修正型電気ショックは、侵襲性が高く多くの精神障害者にとっては恐怖でしかありません。そのため、私たちは「重度かつ慢性」を前提としたあらゆる政策を認めるわけにはいきません。
そうしたなかにあって京都市は、第五期障害福祉計画において「重度かつ慢性」を見事に除外して地域移行目標値を定めるという、まさに画期的な取り組みをしました。私たちは、京都市の取り組みを全面的に支持し称賛するとともに、他の地方公共団体においても同様の取り組みがなされることを強く望みます。