立憲民主党ヒアリング「バリアフリー法改正」に関する意見書

平成30年2月13日
立憲民主党代表 枝野幸男 様

 日頃より、精神障害者の地域生活の向上について、ご尽力をくださり心より敬意を表しております。
 私たち全国「精神病」者集団は、1974年に結成された精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。このたびのバリアフリー法及び関連施策の改正について精神障害当事者の立場から次の箇条書きについて意見を述べます。

(1)目的条項と定義条項について
 障害の定義には、精神障害者(発達障害を含む)を明文にすることが必要です。目的条項には障害者基本法や障害者差別解消法の理念を踏まえること、移動が権利であり、もってユニバーサル社会に寄与することを明文にする必要があります。

(2)障害者差別解消法との連携及び定期的な見直し規定
 障害者差別解消法は、合理的配慮に係る環境整備を規定しており、個別に提供される配慮から全体に活用可能な配慮へと徐々に整えていくことが想定されています。バリアフリー法と障害者差別解消法を連携させる条文を設けてください。また、定期的な見直し規定を設けることによって、時代に応じたバリアフリーの実現を可能にするとともに定期的に国会において審査できるようにする必要があります。とくに、2020年に予定されている障害者権利条約政府審査では、障害者権利委員会の総括所見によって勧告されることが見込まれています。次の改正では、総括所見を踏まえた見直しの検討ができるように「総括所見を踏まえた検討を加え、必要な措置を講じる」と附則に書き込まれる必要があります。

(3)当事者参画による恒常的な評価機能
 精神障害をはじめとする多様な障害当事者の参画による恒常的な評価システムが必要です。

(4)バスの割引、JR運賃割引
 バス及び鉄道等の公共交通運賃の割引制度は、他の障害は対象となっているのに精神障害者だけ適用されないものが非常に多いです。精神障害者に対する運賃割引を他の障害と平等に位置付けてください。また、移動支援などで同伴する介助者の交通運賃は利用者が負担しているが、公費で負担するか割引制度によって負担が生じないようにする必要があります。

(5)ソフト面でのバリアフリー
接遇や案内表示などソフト面でのバリアフリーに取り組んでいく必要があります。また、接遇については、当事者が講師となって研修を実施する仕組みが必要です。
精神障害者の運転免許の取得・更新は、障害を事故の要因とみて診断で安全の証明を要請するものとなっており、あわせて道路交通法の改正が必要だと考えます。