会見内容:成年後見制度の利用の促進に関する法律案の反対若しくは慎重審議について
時間:3月31日、14時00分から14時50分まで
場所:厚生労働記者クラブ(中央合同庁舎第9 F)
発言者;
池原毅和(弁護士・東京アドヴォカシー法律事務所長)
岡部宏生(NPO法人ALS/MND サポートセンターさくら会・ALSの当事者)※介助者2名のコミュニケーション支援による発話
川口有美子(NPO法人ALS/MND サポートセンターさくら会)
関口明彦(全国「精神病」者集団運営委員・元内閣府障害者政策委員)
プレスリリース
成年後見制度の利用の促進に関する法律案は、2016年3月31日か4月5日の参議院内閣委員会において審議される見込みであると聞いています。成年後見制度利用促進法案は、①障害者権利条約第12条に違反するとされている成年後見制度をせめて最小化するというわけでなく、むしろ利用を促進するという点で国際人権法の潮流に逆行するものであること、②法案成立後に医療同意など後見人の業務拡大を検討することとされており、延命治療を始めとする必要な治療を中断する代諾や認知症高齢者を精神科病院に入院させる代諾による新たな問題が懸念されること、などから慎重な審議が必要であるといわれています。
また、成年後見制度利用促進法案は、改正される法律の範囲も広く、従来の成年後見制度の手続きの改正にまで及ぶものとなっています。たとえば、成年被後見人宛の郵便物を成年後見人等が直接受け取れるとする改正は、本来、本人以外の者による信書の開封の是非といった刑法にまで及ぶものであり、法務委員会での検討を要するものと考えます。そのため、参考人もよばずに内閣委員会で数十分の質疑で可決されていいような法律ではありません。