障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部長 石破茂 様
厳寒の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2024年7月3日、最高裁判所判決は旧優生保護法の被害について、国に損害賠償の支払いを命じる画期的な判決を言いわたしました。2024年7月には、内閣府に障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部が設置され、同年12月に障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画が策定されました。
つきまして同行動計画の実施にあたっては、下記に留意しつつ運用してくださいますようお願い申し上げます。
記
一 障害者の権利に関する委員会一般的意見第7号パラグラフ11には、障害者を代表する団体は障害者の権利に関する条約の実施に協力する義務があるとされる。パラレルレポートを提出し、資料建設的対話の傍聴に出席した精神障害者の団体は、全国「精神病」者集団である。しかし、これまで全国「精神病」者集団には、ヒアリングがおこなわれてきていない。今後は、精神障害者にかかわる論点を抽出するにあたって各省庁横断して必ず全国「精神病」者集団に対するヒアリングをおこなうべきである。
二 旧優生保護法の全面解決に向けては、旧優生保護法によって人々に植え付けられた差別意識の影響による諸問題の解決(母体保護法下における同様の被害や障害者が生きることに否定的な価値を付与した上での医療中断、精神科病院への非自発的入院制度の成立過程の問題など)が必要であることを確認するべきである。
以 上