全国「精神病」者集団で長らく活動を共にしてきた2024年7月3日に長らくの癌との闘病生活の末、逝去をされました。享年71歳でした。ここに謹んで哀悼の意をささげます。
山本眞理さんは、国内外の反差別運動を牽引し、その活躍は障害者運動のみならず、人権をめぐる運動全般に及びました。物おじしない活動スタイルから、当事者運動はもとより、さまざまな社会運動に関わる人々からも高く評価を受けてきました。
全国「精神病」者集団は、50年前の1974年の結成以来訴えてきたことは、私たち精神障害者は、人として当然持ちあわす諸権利を奪われ、市民社会から切捨てられ、たえず、管理の対象者としてのみ扱われ、共生の場からはずされてきたという事実です。
今から10年前、日本は国連障害者権利条約の署名を行いました。この条約の策定のプロセスに関わった障害当事者のひとりである山本眞理さんは、条約の国内実施にむけた取り組みに大いに期待を寄せていらっしゃいました。条約のスローガンである「私たちのことを私たち抜きで決めないで(Nothing About us without us)」は主体性の獲得とともに、反差別に向けた社会そのものの変革としての大きな意味を説いてくれました。
残された私たちは、山本眞理さんや山本眞理さんが慕っていた諸先輩方が訴えてきた「精神病」者の生命の尊守、「精神病」者の権利主張、「精神病」者総体の利益追求を体現していかなくてはなりません。今までの奮闘に心より感謝し、故人のご冥福をお祈りします。