本日7月22日、196回通常国会が閉会しました。今国会では、精神障害の当事者団体の運動によって成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律(案)が審議入り見送りとなりました。
本法案が国会に上程される前の段階では、内閣から参議院先議の希望が出されており、ほとんど質問時間を使わずに与野党ともに賛成して成立するような位置づけとなっていました。また、多くの障害者団体が本法案を欠格条項廃止に向けた運動の前進と捉えるきらいがあり、一部には賛成して審議加速をしようとする向きさえありました。
そのような中で全国「精神病」者集団は、閣議決定前から関係者等を説得してまわり、閣議決定の当日には反対声明を公表して立法府に慎重審議を求めてきました。また、成年後見制度を見直す会と共催して院内集会を企画・開催し、注目を集めました。こうした動きによって衆議院内閣委員会理事会では、参議院先議への疑問が示され、とうとう衆議院先議へとなりました。
今国会に提出された内閣関連法案は、そもそも法案の数が非常に多く、さらにその中にはTPP法案やカジノ法案といった対決法案が複数あったため、本法案が衆議院先議となったことで審議日程の目処が立たなくなりました。
かくして、我々は成年後見制度をめぐる一人一人の実態を明らかにすることで、慎重審議の方向付けを獲得し、ついに今国会で審議入りさせなかったわけであり、これは非常に大きな成果となりました。今後は、こうして作った貴重な審議入りまでの時間を有効に活用し、障害者権利委員会による総括所見の反映のための検討、障害当事者参画の実現、現実に起こっている問題の解決の3点を重点に行政府、立法府への働きかけに取り組んでいきたいと思います。
2018年7月22日