障害者虐待防止法改正意見書

厚生労働省大臣 塩崎 恭久様
2015年1月8日

日頃の障害者の人権擁護へのご努力に敬意を表します。
さて「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下障害者虐待防止法とする)はその附則において以下定めています。

(検討)
第二条
政府は、学校、保育所等、医療機関、官公署等における障害者に対する虐待の防止等の体制の在り方並びに障害者の安全の確認又は安全の確保を実効的に行うための方策、障害者を訪問して相談等を行う体制の充実強化その他の障害者虐待の防止、障害者虐待を受けた障害者の保護及び自立の支援、養護者に対する支援等のための制度について、この法律の施行後三年を目途として、児童虐待、高齢者虐待、配偶者からの暴力等の防止等に関する法制度全般の見直しの状況を踏まえ、この法律の施行状況等を勘案して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

現在障害者虐待防止法の通報義務の対象に学校・病院は含まれておりません。しかし病院とりわけ精神病院における虐待事例はほぼ毎年のように報道され、しかもそれは氷山の一角と推測されます(添付資料の表参照)。学校においてもつい最近も添付資料のような事例が報道されています。
したがって私どもはまず病院と学校を通報義務の対象とすること、そして収容施設居住施設、精神病院に関しては外部からの独立した監視機関を設置することを求めます。

すでに昨年今年と国連人権条約の 2 つの条約体は以下勧告しています。

2013 年 5 月 拷問等禁止条約委員会勧告 精神保健ケア
(h) 独立した監視機関がすべての精神医療施設に対して
定期的訪問を行うことを確保すること

2014 年 7 月 人権委員会 日本政府への勧告
(c) 精神科の施設に対して、虐待を有効に調査し罰し、被害者またはその家族に
賠償を提供することを目的として、有効で独立した監視と報告体制を確保すること

要望事項
1 障害者虐待防止法の改正を2015年に行うこと
2 改正にあたっては学校と病院を通報義務の対象とすること
3 居住系施設および精神病院については外部からの独立した監視機関を創設す
ること