笹川議員「うつ病弱気発言」に抗議します

笹川たかし様
 はじめまして。私ども全国「精神病」者集団は1974年に結成された全国の「精神病」者団体個人の連合体です。同封パンフレットにもありますように、障害者権利条約作成についても積極的に参加してまいりました。条約では障害書への非差別が掲げられさらに障害についてはその前文において以下明記されています。

「(e) 障害〔ディスアビリティ〕が形成途上にある〔徐々に発展している〕概念であること、また、障害が機能障害〔インペアメント〕のある人と態度及び環境に関する障壁との相互作用であって、機能障害のある人が他の者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加することを妨げるものから生ずることを認め、」

 うつ病は、身体的外傷のようなものであり、骨を折ったら曲がらないのと同じで、うつ病になったら、本人の意思とは関係なく動けなくなります。うつ病は、「こころの」若しくは「精神的な」云々と言われることが多く、気の強いとか・弱いとか、そのような非科学的な誤解を持っている人が多いです。このような現状で、公共性の高い立場の者が、誤解を強めるような発言をしたことは、うつ病患者への社会的偏見を助長し、多くのうつ病患者にとってのマイナスの結果となります。よって、公の場での謝罪及び発言撤回を要求します。

 また、気の強い弱いに関わらず、現に学校教員で休業している者が多いという事実があるならば、それに対して何らかの策を講じる必要があり、それを行うのが政治家の責務であります。それを、個人の問題へと還元するような発言を示すでは、本来政治家は務まりません。
うつ病者が増えている実態は、その背景に労災すら認定されるような過酷な労働現場の実態があります。これらの問題解消に向けては労働現場の実態をかえ、労働基準法ほか労働法規が遵守されることが最低限の条件です。こうした最低限の改善と同時に発病者が排除されないための障害者権利条約を遵守する取り組みが今求められています。
謝罪及び発言撤回に加えて、上記の取り組みを、ひとつは提案してくださるものと信じております。政治家としての信用回復を含め、国民に政治家としての普遍的姿勢を明らかにされることも、同時に要求します。

2009年3月27日