持続可能な開発目標(SDGs)セミナー 「人間の安全保障」と「インチョン戦略」との関係とシナジー効果

1.趣旨
2017年7月7日、国連のアミーナ・J・モハメッド副事務総長は、ニューヨークの国連本部で開催されたハイレベル・イベントで、「人間の安全保障は、持続可能な開発、包摂的な平和、そしてすべての人の福祉と尊厳に欠かせないアプローチです。事実、それは2030アジェンダの中心的要素にもなっています」と発言しました。持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた幅広い問題に取り組むうえで、人間の安全保障のアプローチがもたらす利点を強調しました。(国連広報センターHPより)
一方、第2次アジア太平洋障害者の10年(2003~2012)最終年のハイレベル政府間会合において採択された第3次の目標である「インチョン戦略」は、SDGsの障害関連のターゲットと類似したものが設定されています。二つの目標はともに人権尊重を基礎に、人間中心でジェンダーに配慮した開発アプローチをとることから、大きなシナジー(相乗作用)の効果が期待されます。
そこで、本セミナーにおいて、「人間の安全保障」と「インチョン戦略」のそれぞれの政策を作った当事者の方々よりお話しを伺い、SDGsの目標達成に向けての方策を考えます。また、企業と障害当事者団体、NGOが連携して実施し、大きな成果を上げている「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」を切り口に、キーとなる人材とアジア太平洋の国々の状況を知り、SDGsの障害分野の目標達成に向けた今後の取り組みについて議論します。

2.日時:2018年6月14日(木)13時半~16時半
3.会場:戸山サンライズ 2階 大研修室 (東京都新宿区戸山1-22-1)
4.主催:公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会

5.申込方法および締切:
(1)方法:下記URLをクリックして必要事項をご記入ください。
   https://goo.gl/forms/NDAbvr0YWi3PLbw43
(2)締切:6月8日(金)までにお申し込みください。

6.参加費:無料
7.プログラム:(敬称略)
 ■開会 総合司会 平井佑典(発達障害個別支援研究所Office HIRAI 代表)
 ■主催者挨拶 松井亮輔 (日本障害者リハビリテーション協会 副会長)
 ■ご挨拶(調整中)
  外務省
  妹尾靖子(国連広報センター 広報官)
  国際協力機構(JICA)
 ■基調講演
  SDGsと人間の安全保障  高須幸雄(国連事務総長顧問)(30分)
  SDGsとインチョン戦略  秋山愛子(UNESCAP 障害分野専門官)(20分)
 ■休憩(10分)
 ■事例紹介
  横山かおる(ダスキン愛の輪基金 室長)(15分)
  沖田 大(メインストリーム協会 事務局長)(15分)
  那須里美(日本障害者リハビリテーション協会 研修課 課長)(15分)
   モデレーター:秋山愛子
   コメンテーター:高須幸雄
 ■質疑応答(30分)
 ■まとめ(10分)
 ■閉会挨拶 福母淳治(日本障害者リハビリテーション協会 常務理事)

8.事務局:日本障害者リハビリテーション協会 国際課(奥平、堂西)
 住所=〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
 電話=03-5273-0601  FAX=03-5273-1523  

JD政策会議2018 障害者権利条約パラレルレポートJD草案報告会

日時:2018年5月25日(金)午後1時半~5時
場所:戸山サンライズ2階 大研修室
参加費:500円 
定員:150名(定員になり次第、締め切ります。)
*このメールへの返信などでお申込みください。
*点字資料(要約版)・要約筆記・手話通訳
(必要な方は5月18日(本日です、すみません)までにお知らせください。)

《主なプログラム》
◎情勢報告 藤井 克徳 JD代表
◎世界地図にみるパラレポのくらべっこ・気になるあの国、日本では-JD仮訳から世界がみえる-
      佐藤 久夫 JD理事/元 日本社会事業大学教授
◎パラレポJD草案の提案
(1)はじめに(前文、JDパラレポ草案の位置、JDFの動き、など)
 薗部 英夫(JD副代表・全国障害者問題研究会副委員長)
(2)1~19条 + 全体討論
 増田 一世(JD常務理事・やどかりの里常務理事)
(3)20条~25条 + 全体討論
 薗部 英夫(JD副代表・全国障害者問題研究会副委員長)
(4)26条~33条 + 全体討論
   赤松 英知(JD政策委員・きょうされん常務理事)

http://www.jdnet.gr.jp/event/2018/180525.html

成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案の審査にあたっての要望

趣旨
〇本法案の審査は、欠格条項の見直しが進んだという表面上の成果のみで評価してはならず、障害者権利条約等の国際的動向や成年後見制度利用促進法に基づく政策の進捗状況などの中間評価が求められる点で通常の単独法案の審査とは一線を画するものである。
〇今回の法案審査を逃すと、当面は成年後見制度関連の立法府における法案審査が予定されていないため、この機に必要な意見を出さなければ重大な課題が先送りにされてしまうおそれがあり極めて緊急性が高い。

獲得目標
①障害者権利委員会の総括所見を反映するための検討
成年後見制度利用促進基本計画には、2020年に出される予定である障害者権利委員会の総括所見を受けての見直しが規定されなかった。「障害者権利委員会の総括所見を受けての見直し」の明文規定を本則及び附則の法案修正によって獲得したい。
②当事者参画による検討
成年後見制度利用促進基本計画の策定過程には、障害者を代表する団体からの推薦を得た精神障害当事者、知的障害当事者、認知症高齢者の参画がなかった。障害者を代表する団体からの推薦を得た精神障害当事者、知的障害当事者の参画を附帯決議で獲得したい。
③医療同意に係る業務拡大を慎重に検討すること
2018年度から厚生労働省に所轄が移動し、医療同意について検討される予定であるが、医療の同意はときに生命の有無を帰結する重大な問題を孕むため、慎重に検討することを附帯決議で獲得したい。
④運用上の課題の改善
成年後見制度利用促進基本計画の策定過程において十分に確認されなかった運用上の課題について十分な質問時間を確保し、適切な運用に向けた見直しを答弁及び附帯決議で獲得したい。

運用上の課題
論点1: 被後見人及び家族が預金通帳を見せてもらえない
被後見人本人の預金通帳は後見人が管理し、その残高や原本は、多くの場合、本人と介護家族は見ることができない。そのため、将来設計も立てられず、また、横領されているのではという不安の中で過ごしている人がたくさんいる。預金通帳は、被後見人本人と介護家族まで見られるようにした方がよいと考える。

論点2:後見人等の報酬額を教えてもらえない
報酬額は、後見人等が報酬付与の申立をおこない、家庭裁判所が決定する。家庭裁判所は、申立人にしか決定通知を出さないため、後見人等が報酬額を教えないかぎり、被後見人等や介護家族は知るすべがない。被後見人等にとっては、仮に自分の通帳を見られたとしても、何に使われているのかまではわからないような状態になっている。

論点3:後見人等は候補者が選ばれるとは限らない
 申立人の被後見人本人等が希望した候補者が実際に後見人に選任されるわけではない。そのため、ある日、突然にして希望しない後見人があらわれて困る場合がある。

論点4:後見人等は簡単には解任できない
被後見人等は、後見人を簡単に解任させることができない。後見人に問題があった場合解任請求はできるが、それが認められることはめったにない。(1)
通常は、原則被後見人等及び後見人等が死亡するまで継続する。例えば、訪問介護の場合は、利用者の意思を尊重しないなどの理由で十分に別の介護員を派遣する理由になり得る。しかし、後見制度は横領・虐待事実の立証などがなければ解任はできない。(2)また、目的を果たしたら終わりというものではない。(3)

論点5:審判は裁判官及び書記官の立ち会いがない
 後見人を選任するのが家裁である以上、後見人と本人・家族との初回の面接や、預金通帳等の引渡しは、責任を持って家裁の裁判官及び書記官が立ち会うべきである。家裁は、本人を見てもいないのに流れ作業的に決定を出している状況であるため、実態に則さない不適切な決定につながっている。

論点6:後見人に持ち家を売られた上、施設に無理やり入れられた
 後見人は、被後見人が拒否していても施設に入所させてしまうことができるし、現に行われている。その際に被後見人名義の不動産(持ち家)を売却してしまう後見人が散見される。被後見人の本人にとっては、帰れる場所を失い施設に入れられたかたちになってしまう。また、同居家族がいても引越しを要求して被後見人名義の不動産(持ち家)を売却してしまう後見人も稀にいる。

1 朝日新聞2016年1月25日朝刊:元弁護士による横領事件において、親族から解任請求が2回出されていたが、認められず数千万円が横領された。
2 本人に面会に来ない、本人意思を尊重しないといった理由で解任された審判例は見当たらない。(小西洋 元東京家裁判事 実践成年後見№51 2014.7)
3 最高裁判所パンフレット平成30年3月「成年後見制度―利用をお考えのあなたへ――」14頁。

統計データの課題
上記課題の実態把握及び成年後見制度利用促進基本計画の作成にあたっては、本来、次の統計資料が必要であった。
■―1 後見人候補者の選任数と選任率(類型別)
■―2 親族の有無(親族申立は約65%だがそれ以外の者はすべて親族がいないのか)
■―3 解任、辞任の実態(属性・職種別件数)
■―4 取消権行使と代理権行使の実態(後見人等の報告書参照)(類型別)
■―5 受任件数(属性・職種別最大件数及び中央値、平均値) ※専門職は1人で40~50件も受任している場合がある。
■―6 月額報酬額(付加報酬を含む)(属性・職種別件数)
■―7 横領額の実態(属性・職種別件数)横領額の総額ではなく個別の額
■―8 居住用不動産の処分(売却)の実態(後見人等の報告書参照)(属性・職種別件数)
■―9 本人や家族に対する預金通帳の原本開示の有無、後見人報酬の開示の有無    
■―10 後見人の属性・職種と後見監督人等との関係

患者の人権がまもられる精神医療を! ~故ケリー・サベジさん一周忌に考える~

緊急報告「患者の人権がまもられる精神医療を! ~故ケリー・サベジさん一周忌に考える~ 」

平成30年5月19日(土)午後1時~3時 (会場12時半) 
日本記者クラブ会見場(千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9階)
  https://www.jnpc.or.jp/outline/access
定員 80人 (参加ご希望の方は以下のアドレスまでご連絡ください)
E-mail:hasegawat@ks.kyorin-u.ac.jp(杏林大学 保健学部 長谷川 利夫)

 日本の子どもたちに英語教師として親しまれていたケリー・サベジさん(享年27歳)が精神科病院で身体拘束ののち亡くなってから5月17日で一年となります。
これがきっかけで精神科病院における身体拘束に焦点があてられ、去年7月には“精神科医療の身体拘束を考える会”が発足しました。会には、ケリーさん同様、身体拘束後に亡くなった方のご家族からの訴えや、現在拘束されているという当事者の声が届いており、問題の根の深さを感じています。隔離・拘束だけでなく、日本だけ突出している長期入院の問題も含め、はたして日本の精神医療は患者の人権がまもられる仕組みになっているのか、この事態をいかにかえてゆけるのか、当事者もまじえて、様々な立場の人と議論し、変革へのきっかけをつかみたいと思います。

挨拶と基調報告         “精神科医療の身体拘束を考える会”代表 長谷川利夫 
ケリー・サベジさんはなぜ亡くなったのか?           マーサ・サベジさん 
本会の開催に寄せて一言                 精神科医 斎藤環氏【予定】
考える会”に寄せられた声、活動の報告              佐々木信夫弁護士
当事者からの訴え~フロアより  
姉を亡くした女性、大学病院から退院した男性 【予定】
患者の人権がまもれる制度になっているか              三枝恵真弁護士  質疑応答
司会進行 迫田朋子

成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案の閣議決定・法案上程に反対します

 私たち全国「精神病」者集団は、1974年に結成した精神障害者個人及び団体で構成される全国組織です。
 さて、本日3月13日、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案が閣議決定・法案上程されました。本法案は、主として成年被後見人等を対象とした欠格条項の削除などを規定しております。
 この法案の構造は、一見すると欠格条項の削除など大きな問題がないように見えますが、その実は成年後見制度利用促進法に基づく政策全体の中に位置づくものであり、政策全体の方向性への評価とは切っても切り離せないものとなっております。すなわち、本法案の審査は、欠格条項の見直しが進んだという表面上の成果のみでは評価してはならず、障害者権利条約をはじめとする国際的動向を鑑みた評価や成年後見制度利用促進法に基づく政策の進捗状況の中間評価などが求められる点で通常の単独法案の審査とは一線を画するものになります。
 成年後見制度の対象者は、精神上の障害により事理弁識能力を欠く常態にある者とされており、大部分が精神保健福祉法上の精神障害者に該当します。成年後見制度は、私たち精神障害者の実生活に係るいくつかの深刻で看過できない問題を孕んでいます。それにもかかわらず、私たち抜きに政策が進められ、障害者権利条約について書かれた附帯決議に基づく検討をほとんどしていないなどの問題が認められます。そのため、全国「精神病」者集団としては、本法案に対して反対の立場であることを表明します。

1 障害者権利条約審査及び総括所見に基づく見直しが規定されていない問題
 成年後見制度利用促進法については、第190回通常国会の審議で障害者権利条約第12条(法の前の平等)に係る政府解釈と国連障害者権利委員会の解釈とが大きく異なることが浮き彫りになりました。日本政府は、成年後見制度を廃止せずして批准し得たことから条約違反ではないとし、衆参両院の内閣委員からは国連障害者権利委員会の文書(一般的意見第1号など)を引用するなどして条約違反の可能性が指摘されました。
日本政府は、国連障害者権利委員会による政府審査において、同委員会から出される総括所見によって成年後見制度が条約違反であるとの勧告を受ける見込みです。その理由は、国連障害者権利委員会一般的意見第一号や審査後に各国に出された総括所見から自明であると考えられるためです。
 このことを踏まえて参議院内閣委員会の法案審査では、委員から「勧告をうけたとしても見直しをおこなわないのか」旨の質問がだされ、それに対して加藤勝信大臣(当時)は、「必要があれば見直しをおこなう」旨の答弁をしました。また、これら一連の法案審議を通じて障害者権利条約の観点からの問題点が明らかになり、附帯決議には「障害者の権利に関する条約第十二条の趣旨に鑑み、成年被後見人等の自己決定権が最大限尊重されるよう現状の問題点の把握に努め、それに基づき、必要な社会環境の整備等について検討を行うこと」が盛り込まれ、加藤大臣(当時)からも「その趣旨を十分尊重してまいりたい」との発言がありました。
 しかし、成年後見制度利用促進基本計画には、付帯決議を含む障害者権利条約について、①今後の検討に当たって立ち返るべき理念として示された自己決定権の尊重の註釈部分と、②保佐・補助の活用を含め、早期の段階から、本人に身近な地域において成年後見制度の利用の相談ができるよう、市町村においては、特に各地域の相談機能の整備に優先して取り組むよう努めるべきとされた部分の二カ所にしか言及されず、肝心であるはずの平成32(2020)年に予定されている国連障害者権利委員会による政府審査及び総括所見に基づく検討のことが一切触れられていません。このことは、附帯決議の「現状の問題点の把握」のなかに国連障害者権利委員会の動きをはじめとする国際的動向が含まれていないこと、そして「必要な社会環境の整備等」のなかに障害者権利条約審査及び総括所見に基づく検討が含まれていない点で附帯決議の趣旨を尊重した検討がおこなわれたとは言えません。

2 精神障害当事者不在のままでの検討
 第190回通常国会における成年後見制度利用促進法の審議では、内閣委員から当事者からのヒアリングをする必要性がある旨の意見が出され、加藤大臣(当時)も「しっかりと対応していきたい」と答弁しました。
 しかし、実際にヒアリングの対象として選ばれた障害者関連団体は、日本障害者協議会と全国精神保健福祉会連合会の二団体にとどまり、被後見人の立場を代弁する上では不十分極まりないと考えます。全国「精神病」者集団は、利用促進会議及び同委員会の構成員としての参画とヒアリングを申し入れたところ、いずれも内閣府によって受け入れられませんでした。このことで利用促進会議及び同委員会の構成員及び参考人には、精神障害を代表する団体が入りませんでした。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構は、病棟患者自治会や地域患者会などの当事者組織を会員としてシェアできておらず、法人の目的を「各種専門職と協働して精神的困難な当事者を支援できる精神障がい者ピアサポート専門員を育成する事を目的としています」としており、組織の形式としてはピアサポーターの職能団体であって精神障害を代表する団体ではありません。
 障害者権利条約の趣旨である当事者参画が実現されないまま成年後見制度利用促進基本計画が策定され法案が上程された点で附帯決議の趣旨を尊重した検討がおこなわれたとは言えません。

3 医療同意への業務拡大の問題について
 第190回通常国会における成年後見制度利用促進法の採決は、日本共産党、生活の党、社会民主党など野党からの反対があり、反対討論でも医療同意の業務拡大については「障害者団体などからの懸念、反対意見」が根拠としてあげられました。
 医療同意とは、医療の中断の同意と医療の実施の同意の双方を含みます。医療は、患者の生命を左右するものであり、ときに取り返しのつかない状況を帰結します。例えば、被後見人等の意思に反した過剰な医療提供や唐突な医療中断による死亡などがそうです。私たちは、成年後見人の業務範囲に医療同意を加えることに反対の立場です。そのため、成年後見制度利用促進委員会等において業務範囲に医療同意を加えるための検討は、もっとも慎重を要するものと考えます。とくに市民後見等の医療の素人を動員していく計画があるのなら、なおさら慎重でなくてはなりません。
 そもそも医療同意は、成年後見制度によらなくても第三者による同意が運用でひろく認められてきました。例えば、親族などが一般的ですが、親族等の同意を与える人がいない場合でも、病院が倫理委員会に審査させて民生委員やケアマネージャーに同意させることを正当化する例があります。このように本来は、医療機関を中心として柔軟な対応がなされることが望ましいと考えます。また、一般に第三者同意の課題として「病院は親族で意見が異なる場合に誰の同意を優先すればいいのか分からない」といったことがあげられています。しかし、成年後見制度を利用した場合でも複数後見や法人後見で後見人同士の意見が異なる場合には、結局、同様の問題が発生し得るため、「後見を立てて一元化してほしい」という方策では解決しない問題です。こうした場合は、成年後見人の業務の範囲に医療同意を含み込まずとしても、従前からの第三者同意を成年後見人が業務外でおこなう場合の運用上の技術的助言が示されてさえいれば、つつがなく被後見人が医療を受けられるようになります。
 しかし、成年後見制度利用促進基本計画では、成年後見人の業務範囲に医療同意を加える方向性を完全には否定しておらず、立法事実に対して成年後見人の業務範囲に医療同意を加えることでしか解決できないのかどうかを検証した形跡も見当たりません。よって、第190回通常国会の審議及び附帯決議の趣旨を尊重した検討がおこなわれたとは言えません。

2018年3月13日
全国「精神病」者集団

成年後見制度を考えるための5.22院内学習会

成年後見制度を考えるための5.22院内学習会

成年後見制度利用促進法が成立して3年 が経ちました。
成被後見人等と介護家族たち (当事者たち)の生活は、今どうなっているのでしょか。

日 時: 2018年5月22日(火曜日) 午前11時30分~午後1時30分
      (通行証は11時からロビーで配ります)
場 所: 衆議院第2議員会館 第8会議室
      (東京都千代田区永田町2-2-1)
共 催: 全国「精神病」者集団・成年後見制度を直す会
連絡先: 164-0011 東京都中野区中央2-39-3
     TEL 080-6004-6848(桐原)

【集会チラシ】
http://yamada-yuhei.sakura.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2018/05/0522.pdf

【関連情報】
◆成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19605056.htm

◆閣議決定(3月13日)
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2018/kakugi-2018031301.html

◆内閣関連法案一覧
http://ishigamitoshio.com/activity/topic_images/20180119000748.pdf

◆成年後見制度利用促進基本計画
http://www.cao.go.jp/seinenkouken/keikaku/index.html
http://www.cao.go.jp/seinenkouken/keikaku/pdf/keikaku1.pdf

◆第190回国会衆議院内閣委員会(3月23日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/190/0002/19003230002008.pdf

◆第190回国会参議院内閣委員会(4月5日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/190/0058/19004050058008.pdf

◆附帯決議(参議院)
http://www.cao.go.jp/seinenkouken/law/hutai.html

5/17旧優生保護法による不妊手術を考える集会

5/17旧優生保護法による不妊手術を考える集会
~東京地裁への提訴後集会~
*札幌、仙台も同日に提訴予定

日時:5月17日(木)11時~13時
場所:参議院議員会館B107
*申込不要

 1948(昭和23)年に制定され、1996(平成8)年に母体保護法に改正された旧優生保護法の下で、多くの障害のある方らが不妊手術を受けさせられてきました。公式な統計によれば、この法律に基づく本人の同意によらない不妊手術の数は約16,500件とされ、このうち記録が残っているのは2割程度といわれています。
 1957(昭和32)年ころに強制不妊手術を受けさせられた北さん(仮名)は、今年1月に提起された仙台の裁判に勇気づけられ、この度、東京地方裁判所に国の謝罪と補償を求め裁判を起こします。
 北さんは、手術の公式な記録が保存されておらず、他の「記録がない」被害者の方の力になりたいと願っています。この集会では、旧優生保護法の基本的な話から、今回の裁判の意義、今後目指していくことを北さんや弁護団からお話しした上で、一緒に考える会にしたいと考えています。
 ぜひご来場ください。

全国「精神病」者集団2018年度臨時総会のご案内

 全国「精神病」者集団は、3月30日におこなわれた山本眞理氏との話し合いの結果に基づき名称変更を審議するため臨時総会を開催します。万障繰り合わせの上、ご参加のほどお願いします。

〇日時:5月27日(日)15時~16時
〇対象:全国「精神病」者集団 会員
※会場確保の目安もあり、事前のお申込みのご協力をお願いします。(5月15日・火曜日まで)
〇申込方法:郵送、メール、電話にて
 お申込み後に、折り返し連絡をします。3日経っても折り返しなければ、お電話お願いします。
   
〇お申込み・お問い合わせ先:
・郵送先 〒164-0011 東京都中野区中央2-29-3
・電話  080-5484-4949(留守の時があり。)
〇登録内容:①お名前 ②ご住所(郵便番号)③メールアドレス(あれば) ③ひと言メッセージ
〇議案
 ・名称変更について
〇事前ご意見の募集について(5月24日・木曜日まで)
※終了後は、拡大交流会も開催します。奮ってご参加ください。

トリエステ分かち合いアッセンブレア

日時: 2018年5月20日(日)10時~15時
場所: 藤沢公民館2階第2談話室(藤沢本町駅徒歩15分ほど)
(藤沢市藤沢1丁目9−17 駐車場なし)
会費 : 1,000円(ゲスト交通費他・実費分担)
ゲストスピーカー :松嶋健(広島大学准教授・文化人類学)

イタリア北部にあるトリエステでは単科精神病院が廃絶され、その跡地に精神保健センターができました。それまで精神障害者というレッテルを貼られ、入院・収容生活を強いられてきた人々は、単科精神病院の全廃により、地域移行が進み、今では精神保健センターを中心とした地域で、さまざまな取り組み、関わりの中で暮らしています。その精神科病院廃絶運動を主導したのが精神科医フランコ・バザーリア氏です。WHO(世界保健機関)が1973年にトリエステを「脱施設化と地域精神保健ケアのパイロット地区」のモデル地区と指定、1987年に公式にコラボレーション宣言をしてから、世界中からの見学訪問者が絶えません。今回は、2018年1月にトリエステ精神保健センターを訪問した県央福祉会トリエステ研修実行チームメンバーの有志が、トリエステを始めとするイタリアでの精神保健改革に詳しい文化人類学者の松嶋健さんと、トリエステで見たこと感じたこと、疑問などの分かち合いをします。午後はさまざまな立場から一堂に会した参加者と、トリエステや日本の精神保健を中心に自由討論(アッセンブレア)をします。アッセンブレアは予め目標を設定することはありませんが、討論の中から形づくられるものがあればそれを大切にしていきます。

〈プログラム〉
10:00~11:00 トリエステ研修チームによる発表、報告
 11:00~12:00 松嶋さんと分かち合い・掘り下げの時間
 (12:00~13:00休憩 食事は会場外でお願いします。)
 13:00~15:00 アッセンブレア(自由討論)

問合せ・予約:三吉クリニック相談室・広瀬。℡090-4836-6219
共催:三吉クリニック家族会・お互いさん会・日本社会臨床学会6/10遊行寺シンポチーム有志・
県央福祉会 トリエステ研修実行チーム有志

精神医学的処方を中断することの社会学

日時 2018年4月14日 (土) 15:00-18:00
場所 立命館大学・朱雀キャンパス・1F多目的室
http://www.ritsumei.ac.jp/ accessmap/suzaku/
主催 医療社会学研究会、立命館大学・生存学研究センター

デヴィッド・コーエン教授(UCLA, Luskin, USA)
ディスカッサント タジャン・ニコラ(立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員)

コーエン先生講演には通訳ありです。研究会にはどなたでもご参加いただけます。
参加に際して参加費・事前連絡は不要です。

毎日、 人々は処方された精神医学的薬物療法をやめることを選択し、 医師および臨床研究者は患者または研究対象者が処方薬の服用をや めることを決定し、時には中止または撤退のプロセスを見過ごす。 この発表では、 精神医学的投薬を中止または減量する医学文献の体系的なレビュー (2000〜2017)からの発見を提示し、社会構築、言語、 コンフリクト、権力、能力、資源、 諸アクターなどの概念を使って、 精神医学的知識のこの領域を特徴づけ、 社会科学者のための潜在的な研究の方向性を議論する。

The Sociology of Psychiatric Drug Discontinuation
Professor David COHEN
UCLA Luskin, USA.
http://luskin.ucla.edu/person/ david-cohen/

Everyday, people choose to stop taking their prescribed psychiatric medications and physicians and clinical investigators decide if their patients or research subjects will stop taking their prescribed medications and sometimes oversee the process of discontinuation or withdrawal itself. Reviewing and characterizing the literature on this common phenomenon has never been attempted. In this presentation, I will present some initial findings from a systematic review (2000-2017) of the medical literature on ceasing or reducing psychiatric medications. I will also use concepts such as social construction, language, conflict, power, expertise, resources, actors and systems to characterize this area of psychiatric knowledge and discuss potential research directions for social scientists.