長谷川智恵氏の発言への抗議文

 私たち全国「精神病」者集団は、1974年に結成した精神障害者個人・団体の全国組織です。精神科に通院・入院した経験のある人だけで構成し運営しています。
去る11月19日、『読売新聞』において茨城県教育委員の長谷川智恵子氏(71)が「妊娠初期に(障害の有無が)もっとわかるようにできないでしょうか。4か月以降になるとおろせないですから」などと発言したことが報道されました。
 長谷川氏の発言は、障害のある人の存在を誰かにとって負担であると位置づけ、障害のある人が生まれてこない方が良いとする差別的なものです。もし、親をはじめとする誰かに負担が集中しているという事実があるならば、社会が障害のある人をサポートすることで親が負担を負おうとしなくてもよい社会がつくれるはずです。
 しかし、長谷川氏の発言は、原因を社会に求めようとせず、個人に求めようとしています。障害のある個人が生きていることが負担の原因と見なしているのです。誰かに対して生まれてこない方が良いなどというべきではありません。なにより、具体的に誰かが生まれてこないための方策を口走るなどあってはならないことです。
 私たち精神障害者は、長谷川氏のような考え方により生存を否定されてきた立場です。その立場から長谷川氏の発言は、私たち自身に向けられたものと考え、強く抗議するとともに、長谷川氏のような考え方を断固として糾弾します。

成年後見制度利用促進法案に関するヒアリングの申し入れ

民主党障がい者政策推進議員連盟
原口一博 様

 新春の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 このたび与党がまとめている成年後見制度利用促進法案に対しては、士業団体を中心にさまざまな問題が指摘されており、貴政党におかれましても与党案に対して修正案を出す意向があるものとうかがっております。
 成年後見制度の当事者のひとつには、精神障害者がいます。貴政党におかれましては、障害者権利条約の趣旨を踏まえて、当事者である精神障害者の意見を聴いていただきたく思っております。
 つきましては、成年後見制度利用促進法案に関するヒアリング先の団体に全国「精神病」者集団も加えていただきますよう、お願い申し上げます。

2016年1月22日

精神保健福祉法改正に提言をする関係者に訴えます!部分改正を重ねていて本当に私たちの実情は変わるのでしょうか

精神保健福祉法改正に提言をする関係者に訴えます!
部分改正を重ねていて本当に私たちの実情は変わるのでしょうか

 2013年6月、精神保健福祉法は、保護者制度を含む医療保護入院等の見直しを含む「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」(2010年6月29日閣議決定)を受けて、保護者制度の廃止に伴い医療保護入院も家族等の同意に変更する改正がなされました。このときの改正は、障害者権利条約の批准に向けた国内法整備の一環として実施されたものの、障害者権利条約に係る議論は一切なされませんでした。
 この当時「家族等の同意」は、保護者の同意と比較しても広範囲(三親等以内)の人に同意権を付与することになるため批判の声が高まりました。そこで衆参両厚生労働委員会において法案の審議に質疑の時間が設けられ、付帯決議と施行3年後の見直しの規定が盛り込まれて可決へと至りました。このたびの改正は、ちょうど2013年改正の際にやり残された医療保護入院の見直しに取り組むことが求められている改正ということになります。
 2013年度の法改正では、「家族等の同意」によって、従来よりも広範囲の人に同意権を付与することが可能となり、従来なら医療保護入院の対象にならない人までもが医療保護入院の対象となりました。また、大臣指針では、いわゆる「病棟転換型居住系施設」の構想が盛り込まれ、精神科病院の体制・文化が地域移行の過程において維持・継続されることが懸念されました。そしてこの間、新規措置入院患者の急増、医療保護入院の増加、隔離・身体拘束の増加など、拘束性の強い処遇が増しており、およそ改善に向かっているとはいいがたい状況があります。
このように精神保健福祉法の改正は、「より現実的な方法で」「少しでもマシなものに」という動機と裏腹な帰結を招いています。
 さて、このたびの改正でも、これまで通りに精神保健福祉法の部分修正を重ねたところで、本当に35万人の入院患者の実情に変化を与えることができるのでしょうか。
 私たちは、精神医療の現場に横たわる多くの問題は、精神保健福祉法という法律の部分改正では到底解決に至らないと確信しています。もちろん、現状が大きく変化しない理由には、さまざまなアクターの利害関心の影響によるものや法構造が複雑すぎて改正自体が容易でないこともあるでしょう。しかし、精神保健福祉法という法律それ自体の問題の帰結として、こうした問題が引き起こされていることを見逃してはなりません。
法改正の時期に何かしらの提言をすることはときに必要かもしれません。しかし、法改正では改善に至らないのであれば、どうするべきであるのか、今一度、真剣に考え直すべきではないかと考えます。
 そして、精神保健福祉法の入退院手続の問題の当事者は、精神障害者をおいて他に存在しません。あくまで、この法律の対象者として入院するのは精神障害者なのです。その精神障害者というアイデンティティで集まった団体として精神障害者の団体が存在します。私たちは、精神障害者の団体の意見を聴かずして専門職団体が自分たちの経験則や対話可能な精神障害者の語りだけで提言を続けることは危険であると断じます。
 私たちのことを私たち抜きにして決めないでください。
2015年11月2日

【声明】成年後見制度利用促進法案に反対する声明

 2015年7月、与党は「成年後見制度利用促進法案」をまとめた。早めれば8月に国会に上程される見込みです。
 このたびの「成年後見制度利用促進法案」では、①利用者を増やす基本計画の策定を国や自治体に義務付ける、②後見人による財産の不正流用を防ぐための監督強化、③被後見人の権利制限の見直し(主に欠格条項の見直し)、④手術や延命治療などの医療を受ける際の同意権及び現在含まれない後見人の事務範囲の拡大・見直し、⑤後見人が利用者宛ての郵便物を自らのもとに送り、必要な書類を閲覧できるようにする、などが盛り込まれました。
 しかし、当該法案は、成年後見制度の対象のひとつとされている精神障害者に対して一切ヒアリング等を実施せずに上程されようとしているものです。また、当該法案自体が、以下の重要な問題を含んでいるため、当会としては強く反対します。

1.成年後見制度自体の問題
 2014年に日本でも批准された障害者権利条約第12条では、法の前の平等(1項)、法的能力の平等(2項)が規定されました。一般的に法的能力の範囲には、行為能力が含まれるものと考えられています。そのため、被後見人の行為能力を制限する成年後見制度のような現行の制度は、障害者権利条約に違反すると指摘する声が強くなってきました。
 また、全国「精神病」者集団は、成年後見制度を障害者権利条約の策定の段階から障害を理由とした他の者との不平等の問題と位置付けており、国連の水準を見習い廃止するべきであると考えています。仮に廃止が難しいとしても成年後見、保佐の類型が残るようなことはあってはならないし、補助の適用も最終手段であることについて挙証を求めるなど厳格な運用が必要と考えます。

2.医療同意について
 成年後見制度利用促進法案では、医療同意の拡大を示しています。医療同意は、民法上の医療提供契約の締結と異なり、患者が侵襲行為に対して同意を取り付けるという医療行為の正当化要件にかかわる重要な手続きです。法律行為である医療提供契約と同様の手続において成年後見制度の対象にしてはいけません。こうした範囲拡大は、障害者の生命にかかわる諸判断を代理人に代行させるものであり、障害者の生命を危機に追いやる極めて問題のある政策といえます。被後見人等であっても医療同意に関してはあくまで本人がすること、仮に医療同意が取れないとした場合は緊急避難三要件の適用を見てもっとも医道に適った選択をすることが求められていると考えます。

3.代理決定枠組みから支援された意思決定枠組みへの転換
 今必要なことは、成年後見制度のような行為能力の制限を伴う制度を廃止し、その先で本当に必要な支援を確保していくことです。
以上のことから私たちは、成年後見制度利用促進法案に反対します。
   2015年8月15日

生活保護における住宅扶助及び冬季加算の切り下げの動きに抗議します

 2015年度予算において4月より、生活保護の住宅扶助及び冬季加算の切り下げがなされようとしています。
 住宅扶助については現在住んでいる賃貸住宅の更新期間が来ると扶助が切り下げられ、転居を強いられるおそれがあるとのことです。とりわけ精神障害者にとっては転居強制により、障害の重度化あるいは病状の悪化が想像されます。もちろん他障害や高齢者にとっても同様です。
 重大な人権侵害です。
 長期間の入院から退院のためのアパート探しも困難を極める恐れがあります。
 退院促進がますます困難になりかねません。国の失政により生み出された長期入院患者さんたちの人生被害をこれ以上放置することは許されません。
 障害者・病弱者そして高齢者にとって冬期加算は今ですら不十分であり、さらに切り下げられれば死者すら出しかねません。
 2015年度予算による生活保護受給者への住宅扶助および冬季加算の切り下げがなされないよう、強く要請します。
   2015年1月25日

障害者虐待防止法改正意見書

厚生労働省大臣 塩崎 恭久様
2015年1月8日

日頃の障害者の人権擁護へのご努力に敬意を表します。
さて「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下障害者虐待防止法とする)はその附則において以下定めています。

(検討)
第二条
政府は、学校、保育所等、医療機関、官公署等における障害者に対する虐待の防止等の体制の在り方並びに障害者の安全の確認又は安全の確保を実効的に行うための方策、障害者を訪問して相談等を行う体制の充実強化その他の障害者虐待の防止、障害者虐待を受けた障害者の保護及び自立の支援、養護者に対する支援等のための制度について、この法律の施行後三年を目途として、児童虐待、高齢者虐待、配偶者からの暴力等の防止等に関する法制度全般の見直しの状況を踏まえ、この法律の施行状況等を勘案して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

現在障害者虐待防止法の通報義務の対象に学校・病院は含まれておりません。しかし病院とりわけ精神病院における虐待事例はほぼ毎年のように報道され、しかもそれは氷山の一角と推測されます(添付資料の表参照)。学校においてもつい最近も添付資料のような事例が報道されています。
したがって私どもはまず病院と学校を通報義務の対象とすること、そして収容施設居住施設、精神病院に関しては外部からの独立した監視機関を設置することを求めます。

すでに昨年今年と国連人権条約の 2 つの条約体は以下勧告しています。

2013 年 5 月 拷問等禁止条約委員会勧告 精神保健ケア
(h) 独立した監視機関がすべての精神医療施設に対して
定期的訪問を行うことを確保すること

2014 年 7 月 人権委員会 日本政府への勧告
(c) 精神科の施設に対して、虐待を有効に調査し罰し、被害者またはその家族に
賠償を提供することを目的として、有効で独立した監視と報告体制を確保すること

要望事項
1 障害者虐待防止法の改正を2015年に行うこと
2 改正にあたっては学校と病院を通報義務の対象とすること
3 居住系施設および精神病院については外部からの独立した監視機関を創設す
ること

精神障害者をインクルージョンする地域社会変革へのアジア横断同盟(TCI-ASIA)

報道発表
障害者権利条約は、障害者のインクルージョンと完全で効果的な参加の規定を定めている。しかし、アジアの精神障害者、精神医療ユーザーサバイバーは差別と排外の人生を続けている。高所得の国々そして英連邦の国々、例えば韓国、中国、日本、インドそしてかつて植民地であった他の一連の国には、強制医療を行う何十という刑務所並みの精神科施設を伴った精神保健法制がある。そうした国々では精神障害者は犯罪化されている。一方でアジアの多くの国々で精神障害者のための地域での支援体制が欠乏しているという実態がある。施設における広範な人権侵害の世界的な体験があるにもかかわらずそれを否定して、こうした国々の中には精神保健法を起草したり採用したりする予定の国もいくつかある。アジア地域は、地理的にも、文化的にもそして言語においても多様であり、さらに複雑な社会体制の違いを伴った多様性もある。地域社会開発に各地の精神保健プログラムを統合することで、精神障害者のインクルージョン戦略を立てるときには、この多様なダイナミズムを考慮にいれなければならない。

2つの会議(2013年プネそして2014年バンコク)をへて、“精神障害者をインクルージョンする地域変革へのアジア横断同盟(TCI-Asia)” が結成された。TCI-Asiaは、アジア地域において精神障害者の完全なインクルージョンを確保するために取り組む、障害者団体、精神障害者、精神医療ユーザー・サバイバー個人の連盟である。私たちは障害種別を超えた運動、そしてこの地域のそして世界的な主要な支援者たちと協同して、アジアにおいて国内そして地域的な政策に影響をあたえるために取り組んでいく。

インクルージョンに向けた地域変革会議-Ⅰはプネで開かれ、この地域の6カ国から参加者を得たが、我々のインクルージョンへの主張のアジアにおける枠組みを作る必要性が焦点化した。私たちはアジアにおける障害者権利条約の実現に向けて、障害種別を超えた運動と建設的な連携し、また多様な地域のそして国際的な取り組み、例えば国連のメカニズム、WHO、そしてその他様々な支援機構の政策枠組みといったところと継続的な対話を積み重ねていくインクルーシブな戦略が必要である。もう一つのプネの会議の焦点は、障害者権利条約の精神の実現という意味で、条約19条(自立生活と地域社会へのインクルージョン)の強調であった。とりわけアジア地域においては、社会的文化的な構造が未だ強く活用できる。またアジア地域では社会的関係すべてが契約に基づくというわけではなくて、近隣社会地域社会という概念が存在する。この会議では、アジア地域におけるインクルージョンに向けた地域社会に根ざした取り組みの研修のための訪問や体験共有(当事者の権利主張によるものとソーシャルワーカーによるもの両方)から多く学ぶことができた。

地域社会の変革会議Ⅱ はこうした学習をさらに深め、障害者(精神障害者)のインクルージョンの過程における基準という側面、社会的側面そして他の様々な側面について、バンコクで4日間集中的に取り組んだ。精神保健法体制がある国々(韓国、日本、中国、インド)とない国々(ネパール、フィリピン、スリランカ、バングラディシュ、インドネシア、タイ)の間のインクルージョンの多様な側面の紛れようもない違いというのが明らかになった。この会議ではアジア地域における条約19条の履行と開発過程におけるインクルージョンの重要性が再確認された。

現状におけるTCI-Asiaの優先事項は以下である。
◾戦略、意見表明を通し、精神科施設が存在する国々では脱施設化の推進を主張する。
◾オルタナティブを強調しつつ、精神保健的問題を抱えている人精神障害者への地域社会に根ざしたプログラムの開発に向け国の政策に影響を与える。
◾国内そして地域レベルで、様々なレベルで障害の権利主張をインクルージョンすることを確保するために、障害種別を超えた運動や人権運動と緊密に連携して取り組む。
◾アジアにおける私たちの任務と実践をとおして、各国政府が地域社会開発の活気に満ちた取り組みを通じ条約19条の履行を確保するよう働きかけ促進する。
◾地域における有効な権利主張活動のためによりよい組織化をする。

2014年12月27日

原文はこちらです。
Announcing the TransAsian Alliance on Transforming Communities for Inclusion of Persons with Psychosocial Disabilities

障害者政策委員会に知的障害者、精神障害者がいないことに対する抗議文

内閣総理大臣 安倍 晋三様
内閣府政策統括官(共生社会政策担当)武川 光夫様
2014年11月26日

 私たちは、Nothing about us without us 「私たち抜きに私たちのことを決めないで」を見事なまでに踏みにじっての暴挙に抗議する。
 障害者総合支援法の基で、知的障害者及び精神障害者にはその権利擁護のために後見制度を推し進めるという政策が行われている。そもそも権利擁護のために権利制限を使うと言うこと自体がおかしい。同時に特定秘密保護法では、特定秘密情報の取り扱い資格の要件に精神障害者であるか否かが法文に書き込まれ、あからさまな精神障害者差別が法定化された。
 この裏には、意図的な混同と刷り込みの意図がみえる。あくまでも財産保全の1つの方法である後見制度を被後見人があたかも意思無能力者、全てにおいて判断能力のない者として錯覚させるという混同と刷り込みの意図がある。元々、禁治産者という名だった仕組みが、あたかも全ての意思能力が無いものであるかのように誤解されるのを止めようという努力はみられない。結婚と遺言は全ての被後見人に取って、後見人に関係なく自らの意思で出来ることを考えれば、又日常金銭管理は自由意思で出来ることを考えれば、大きな矛盾と言うしか無い。次にターゲットとされる精神障害者全てが責任ある判断を出来ないという暗黙の示唆を与えてその属性を差別する。要するに、世間には精神障害者ないし知的障害者は事理弁識能力が無いので1人前として扱う必要はない、という誤解と偏見をそしてなにより差別を流布している。そうした流れのとどめが障害者政策委員会からの当事者排除に一直線に結びついている。
 People first.  私たちはまず人間である。
 障害者権利条約は、1条の目的で この条約は、全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とする、としている。
 私たちの人権は完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保されなければならない。
 私たちの固有の尊厳は尊重されなければならない。
 よって、私たちは満腔の怒りを込めてここに抗議する。

報酬改定に関する意見書

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 御中
報酬改定に関する意見書

1.精神障害当事者の団体の意見を聞くこと
 障害者権利条約前文(o)には、「障害者が、政策及び計画(障害者に直接関連する政策及び計画を含む。)に係る意思決定の過程に積極的に関与する機会を有すべきであることを考慮し」とあります。
しかし、障害福祉サービス等報酬改定検討チームには精神障害者の団体の代表者が委員会のメンバーに入っておりません。これは、日本政府が障害者権利条約に背く態度を示したものであり、直ちに改善されなければならないものと考えます。つきましては、次回からは、委員に精神障害者の団体の代表者を入れることを約束してください。
 また、委員参画の必要性とは別に、最低でも精神障害者の団体に対するヒアリングが行なわれていなければならないと考えます。こうした精神障害者を無視した政策決定プロセスの在り方は、障害者権利条約批准後の政府の態度としてあまりにも問題があり、直ちに改善されなければなりません。つきましては、委員としての参画が難しいような場合でも、必ず、精神障害者の団体に対するヒアリングを行なうことを約束してください。

2.身体介護・家事援助の単価
 家事援助の単価は、例えば、家事日中2.0・介助者1人(コード:6123)の場合、344単価と極めて安価です。このような家事援助の単価の安さは、事業所のモチベーションを下げサービスの量と質を下げるものに他なりません。とくに、行動障害の伴わない重度の精神障害者が居宅で利用できる貴重なサービスが家事援助です。少なくとも、身体介護の8割強程度である570単価(身体日中2.0・介助者1人(コード:1123)670単位の8割)までは引き上げてください。

3.地域移行・地域定着の単価
地域相談支援(地域移行支援)は、地域移行支援サービス費:2313単位、特別地域加算、集中支援加算:500単位、退院・退所月加算:2700単位、障害福祉サービス事業の体験利用支援加算:300単位、体験宿泊加算(Ⅰ):300単位、体験宿泊加算(Ⅱ):700単位、地域相談支援(地域定着支援)は、体制確保費:301単位、緊急時支援:703単位、特別地域加算とあります。地域相談支援は、本気で取り組むとなると非常に労力を要し、片手間でできるようなものではありません。少なくとも、専従をおいて実施しなければ、長期入院患者の退院・地域移行を支援するという意味での地域相談支援はできません。現在の単価では、あまりに安価であり、指定一般相談支援事業所のみの指定を受けて事業を展開することができません。地域相談支援は、長期入院患者の退院を実現するための実質的な事業であり、その役割は非常に大きいと言えます。少なくとも、地域移行支援サービス費の単価を4500単位まで大幅に引き上げ、ピアサポーターによる病棟訪問に際しては新たに特別な加算を設けるなどして、精神障害者の登用が促進されるような報酬単価に改訂してください。

2014年9月8日

【公開質問状】抗精神病薬および抗うつ剤多剤投与制限について

公開質問状
日本精神神経学会御中

 日頃の精神保健福祉へのご尽力に感謝いたします
 さて先般厚生労働省が向精神薬の多剤投与規制について診療報酬を通し行う方針を出したと聞き、期待しておりました。
 ところが公表された2014年診療報酬改定において、向精神薬多剤投与の減算がだされたものの大きな抜け道が用意されています。
 第一は精神病院入院中の患者への投薬には一切減算されないこと
 第二に抗精神病薬と抗鬱剤については経験のある医師については減算しないということです。
 上記二つの抜け道の合理性を私ども利用者は理解できません
 すでに遅くとも90年代から日本の多剤投与は批判されており、国内の精神科医による論文もありました。私どもの聞いた範囲でもオランダの仲間は90年代に薬はたいてい1種類、多くて2種類(睡眠薬を入れても)と発言していましたし、アジアにおいても向精神薬総体で4種類以上などみたことないという証言もあります
 以下質問いたしますので、文書回答を求めます。さらに口頭での説明の機会を求めます

質問項目
1 経験ある医師として、日本精神神経学会専門医で研修を受けたものあるいは学会員であり研修を受けたもの、とした理由はなにか
2 それにより守られる患者の利益は何か
3 それにより患者の不利益のない根拠は
4 今回抗鬱剤と抗精神病薬の多剤投与について減算されない資格をとった医師についてはその患者さんに対して多剤投与をやめるために期限設定をするのか するならばその期限は
5 この多剤投与しても減算されない資格を学会が付与するという制度については今後廃止していくつもりなのか、廃止するなら期限は?
以上
    2014年8月21日