精神保健福祉法改正法案の廃案を求める要望書

衆議院議員の皆さま

日頃より、障害者施策の推進に尽力をくださり、心より敬意を表します。
私たち全国「精神病」者集団は、1974年に結成した精神障害者の個人及び団体で構成される全国組織です。
精神保健福祉法は、精神障害者の強制を含む入退院手続きを定めた法律であり、私たち精神障害者の生活に大きく関わるものとして強い関心をもってまいりました。精神保健福祉法の手続きに基づき入院したり、退院したりする問題の当事者は、精神障害者です。
つきましては、以下のとおりの理由から精神保健福祉法改正法案を継続審議の手続きをとらずに廃案とし、厚生労働省は障害当事者の意見を聴いて法案を出し直すべきであることを要望します。

一、 精神保健福祉法改正法案の衆議院の審議時間は、衆議院の院の性格を踏まえて参議院の審議時間(34時間)よりも1.3倍ほど長くとる必要があると考えます。仮に継続審議にするのであれば、多くの障害者団体と共に40時間以上かけた慎重審議を求めることになります。今国会では、継続審議の手続きをとらずに廃案にしてください。
二、 法案審議中に法案概要資料の、それも趣旨の部分が削除されたことは前代未聞のことです。また、法案をもとに作成された法案概要資料の主旨の部分に変更が生じたということは、法案自体の趣旨に変更が生じたものと思われます。こうした趣旨に疑義が生じた法案は、厚生労働省によって法案を出し直すべきです。継続審議の手続きをとらず、廃案にしてください。

三、精神保健福祉法改正法案は、精神障害者の生活を警察等による監視の目にさらすため、精神障害当事者の個人及び団体の大多数が反対しています。こうした法案は、継続審議の手続きをとらず、廃案にしてください。
2017年6月8日