障害者政策委員会に知的障害者、精神障害者がいないことに対する抗議文

内閣総理大臣 安倍 晋三様
内閣府政策統括官(共生社会政策担当)武川 光夫様
2014年11月26日

 私たちは、Nothing about us without us 「私たち抜きに私たちのことを決めないで」を見事なまでに踏みにじっての暴挙に抗議する。
 障害者総合支援法の基で、知的障害者及び精神障害者にはその権利擁護のために後見制度を推し進めるという政策が行われている。そもそも権利擁護のために権利制限を使うと言うこと自体がおかしい。同時に特定秘密保護法では、特定秘密情報の取り扱い資格の要件に精神障害者であるか否かが法文に書き込まれ、あからさまな精神障害者差別が法定化された。
 この裏には、意図的な混同と刷り込みの意図がみえる。あくまでも財産保全の1つの方法である後見制度を被後見人があたかも意思無能力者、全てにおいて判断能力のない者として錯覚させるという混同と刷り込みの意図がある。元々、禁治産者という名だった仕組みが、あたかも全ての意思能力が無いものであるかのように誤解されるのを止めようという努力はみられない。結婚と遺言は全ての被後見人に取って、後見人に関係なく自らの意思で出来ることを考えれば、又日常金銭管理は自由意思で出来ることを考えれば、大きな矛盾と言うしか無い。次にターゲットとされる精神障害者全てが責任ある判断を出来ないという暗黙の示唆を与えてその属性を差別する。要するに、世間には精神障害者ないし知的障害者は事理弁識能力が無いので1人前として扱う必要はない、という誤解と偏見をそしてなにより差別を流布している。そうした流れのとどめが障害者政策委員会からの当事者排除に一直線に結びついている。
 People first.  私たちはまず人間である。
 障害者権利条約は、1条の目的で この条約は、全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とする、としている。
 私たちの人権は完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保されなければならない。
 私たちの固有の尊厳は尊重されなければならない。
 よって、私たちは満腔の怒りを込めてここに抗議する。